【製造業DX】オンプレミス基幹とSaaSデータをDWHに集約 ─ 既存環境をそのままに実現したデータ基盤構築とは

株式会社オーレックホールディングス

オーレックホールディングスは、1948年の創業以来、乗用・自走式草刈機で国内シェアトップクラス/業界初の独創的な製品を次々と生み出している農業機械メーカー/世の中に「あったらいいな」をカタチにできる会社オーレックの企業グループです。車輪付乗用草刈り機において国内トップクラスのシェアを有するオーレックを中核に据え、高い内製化率と現場主義のものづくりを強みに、食・健康・環境領域へと事業を拡大しています。
近年では、データ基盤の構築をはじめとしたDX推進にも注力し、データの戦略的な活用に取り組んでいます。
今回は、DX推進を担うソリューションシステム部の岡原 徹さんと、外部コンサルタントとして支援する再春館システム株式会社に、Reckoner(レコナー)導入の背景と成果について詳しくお話を伺いました。

Reckoner導入前の課題

  • 社内に分散したデータを統合・利活用するための共通基盤が整備されていなかった
  • オンプレミスの基幹システムとSaaSが混在しており、横断的なデータ連携が難しい状況だった
  • 既存構成の制約がある中で、現実的に運用可能な連携方式の検討が必要だった
  • 非エンジニアも含めてデータを活用できる環境が求められていた

導入の決め手

  • オンプレミスの基幹システムとデータウェアハウスを、既存環境をそのままに連携が可能な点
  • ZendeskやSalesforceなど既存SaaSとの連携も柔軟に検証・実装可能な点
  • スモールスタートが可能で、利用規模に応じてコストが最適化できる点
  • 非エンジニアにも扱いやすい設計と、日本語サポートの充実

Reckoner導入による効果

  • SaaS・オンプレミスに閉じていた基幹システムデータをデータウェアハウスに集約し、データ活用の土台を整備
  • リバースETLにより、データウェアハウス上のデータを業務システムへ還元し、二重入力の解消を見据えた運用へ
  • データの一元化により、IDの一貫性が担保され、データ品質が向上
  • RPAと組み合わせた業務自動化や、人事データ活用など、今後のデータ利活用・高度化に向けた拡張性を確保

オンプレ基幹とSaaSが混在する構成──データ統合を阻む構造的な制約

――ご自身はどのような役割・業務を担当していますか?

ソリューションシステム部に所属しています。いわゆる情報システム部門にあたりますが、運用・保守に加えて、DX推進も含めた役割を担っています。
もともとは社内のシステム対応を中心とした体制でしたが、経営方針の転換によりDX領域への取り組みが進み、組織としても拡大しています。現在は11名規模の体制となっており、アプリケーションとインフラの2つの領域に分かれて対応しています。
業務としては、社内システムの運用・管理に加えて、データ活用やDXに関する企画立案なども行っています。

――Reckoner導入前はどのような課題がありましたか?

データ共通基盤の構築にあたり、社内に分散しているデータを集約し、利活用していきたいという背景がありました。
オンプレミスの基幹システムやSaaSなど、複数のシステムにデータが点在しており、それらをどのように統合して活用していくかが課題でした。

複数ツールを比較する中で問われた「実運用で成立するか」──最終的な決定打とは

――Reckonerを選んだ決め手は何でしたか?

複数のETLツールを比較検討する中で、オンプレミス環境とSaaSが混在する構成においても、既存環境を変更することなく連携できる点が最終的な決定打となりました。
基幹システムがオンプレミスで稼働している一方で、SaaSやクラウドサービスも併用しており、制約のある環境の中で現実的に運用可能な連携方式を構築できるかが重要なポイントとなっていました。
その中で、既存の構成や運用を前提としたまま、データ連携を実現できる点が評価され、最終的な選定に至りました。

また、オンプレミスに限らず、既存SaaSとの連携についても柔軟に検証を進めることができ、短期間で実運用を見据えた形の連携可否を確認できた点も、導入判断を後押ししました。
さらに、非エンジニアも含めてデータ活用ができる操作性や、日本語でのサポートが受けられる点、スモールスタートが可能で、利用規模に応じてコストを最適化できる柔軟なプラン設計も評価ポイントとなりました。

既存環境を維持したまま、短期間で実現した連携検証と構築

――導入プロセスについて教えてください。

今回のプロジェクトでは、オンプレミスの基幹システムとSaaSの両方を前提に、最終的にデータウェアハウスへデータを集約する構成を目指していました。
そのため、既存の業務フローやシステム構成に合わせて、無理なくデータ連携ができるかという点を重視して検証を進めました。とくにオンプレミス環境との連携については、Reckonerのオンプレエージェントを利用することで、既存環境を変更することなくスムーズに接続することができました。

また、ZendeskやSalesforceといった既存のSaaSについても、APIを活用した連携が可能だったため、早い段階から具体的な検証を進めることができました。トライアル環境を利用して早期に操作できたこともあり、実際の運用をイメージしながら検証を進めることができた点は大きかったと感じています。
結果として、期間としては長くはない中でも、必要な動作確認をしっかり行いながら導入を進めることができました。

――Reckonerを実際に触ってみての感想を教えてください。

基幹システムや各種SaaSのデータをデータウェアハウスに集約する必要がありましたが、コネクターやAPI連携が柔軟に用意されていたため、パイプラインの構築はスムーズに進めることができました。
また、UIも分かりやすく、慣れてくれば非エンジニアにもパイプラインを組み立てられると感じました。
データの変換や連携を直感的に構築できる点は、操作面においても大きなメリットです。

オンプレミス基幹・SaaSデータをDWHに集約し、データ活用基盤を確立

――どのようなワークフローを構築されたのですか?

大きく3つのワークフローを構築しています。

まず1点目は、基幹システムからのデータ連携です。
オンプレミスで稼働している基幹システムのデータを、Reckonerのオンプレエージェントを通じて取得し、データウェアハウスへ取り込むワークフローを構築しました。これにより、オンプレ環境のデータをクラウド上のデータウェアハウスに連携できるようになりました。

2点目は、ZendeskやSalesforceといった各業務SaaSとの連携です。
これらのサービスについては、公開されているAPIをReckonerから実行することでデータ連携を実現しており、早い段階から検証・構築を進めることができました。

3点目は、データウェアハウス上で加工したデータの活用です。
データウェアハウス側でデータの整形・加工を行った後、そのデータをSalesforceへ連携する仕組みを構築しています。いわゆるリバースETLの形で、データウェアハウス上で加工したデータを業務システムへ戻し、実際の業務に活用できる流れを構築しています。

既存環境を維持したデータ統合──リバースETLによる活用フェーズへの接続

――導入後、どのような効果がありましたか?

今後の活用を見据えた際に、大きな変化として感じているのは、オンプレミスで稼働している基幹システムのデータを、クラウドのデータウェアハウスに自動連携できるようになった点です。
これまではオンプレミス環境に閉じていたデータを、Reckonerのオンプレエージェントを活用することで、ファイルサーバー上のデータを取得し、データウェアハウスへスムーズに自動連携できるようになりました。

また、SalesforceへのリバースETLという観点では、これまで一方のシステムに入力したデータを改めてSalesforceにも入力する必要があり、二重入力が発生していました。
今後、このリバースETLが運用に乗ることで、こうした手間は解消されていくと考えています。
さらに、データを統合して扱えるようになることで、IDの一貫性が担保され、データの質の向上にもつながると見ています。

――今後の活用についてどのようにお考えですか?

現在はデータ基盤の構築を進めている段階ですが、今後はその活用領域を広げていきたいと考えています。
まず、現在一部の処理をRPAで対応しているケースがあり、データのフォーマット変換などはETLであるReckonerに置き換えることで、より効率的に運用できると考えています。
今後は、RPAとReckonerを組み合わせながら、業務全体の自動化・効率化を進めていきたいです。

また、人事労務・勤怠管理システムのデータ活用にも取り組んでいく予定です。
現在は、人事データや勤怠・給与データを分析する際に、手作業でのデータ出力・取り込みが発生しているため、こうしたプロセスについても自動化を進めていきたいと考えています。
今後は、こうしたマスターデータを各システムで横断的に活用できるようにしながら、運用の効率化とデータ活用の高度化の両立を目指していきます。

さらに将来的には、IoT機器から取得できるデータや、各種サービスの利用データなども連携し、より広い範囲でデータを活用できる環境の構築を目指しています。

――お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

※本インタビューは2026年4月に実施

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