最小限の既存システム改修で実現!
グリーンエネルギー企業の売上拡大・DX推進を支えるReckonerはエンジニアにとっても扱いやすい

株式会社グリーンエナジー&カンパニー
導入企業紹介とインタビュー概要
株式会社グリーンエナジー&カンパニーは2009年創業、従業員数152名(2024年4月30日時点)、「サステナブルな社会の実現を新しい常識で」をパーパスに、クリーンエネルギー事業とスマートホーム事業を展開しています。太陽光発電システムを搭載した住宅の開発・販売や、太陽光発電施設の建設などを通じて、エネルギーの自給自足を目指せる暮らしを提供しています。2024年5月には持株会社体制に移行し、グループ全体でGX関連事業を牽引しています。
今回、太陽光発電設備の土地仕入れ業務において、土地データの保存先データベースをスプレッドシートからPostgreSQLへ変更するにあたり、いかにスピーディーかつ少ない工数・運用コストで自社開発アプリの改修が行えるか、スプレッドシートの既存データをスムーズにPostgreSQLへ移行できるか、この2つが課題となっていました。
自社エンジニアによる改修対応や外部ツールの導入など、様々な手法を比較検討した結果、スリーシェイク社のクラウド型データ連携ツール「Reckoner(レコナー)」を導入。
これにより、最小限の自社開発アプリ(AppSheet)の改修で、外部システムから土地データを取得しPostgreSQLへデータが連携される仕組みを構築することができました。そして、スプレッドシートの既存データも問題無くPostgreSQLへの移行が完了しました。
Reckoner導入の背景や決め手、導入効果、今後の展望などについて、株式会社グリーンエナジー&カンパニー熊谷さん、中尾さんにお話を伺いました。
課題と導入効果
課 題
自社開発アプリのデータベースがスプレッドシートであることの限界
・データ登録行に限界があり、定期的にデータを削除する必要があった。この作業工数が負担になっていた。
・自社開発アプリの動作が遅くなっていた。
スプレッドシートからPostgreSQLへ変更する際の改修コスト
・自社のエンジニアが行うには開発工数や今後の運用コストが継続的に発生する
・スプレッドシートの既存データもPostgreSQLへ移行する手間が発生する


効 果
最小限のシステム改修
・CSVへ変換した「.geojson形式」のファイル出力先をGoogle Driveへ出力する変更だけで済んだ。
・スプレッドシートの既存データを、少ない工数でPostgreSQLへデータ移行できた。
無駄の無いデータ連携
・Webhook機能により、タイムリーかつ無駄の無いデータ連携を実行することができた。
売上貢献
・土地の仕入れ量が増加したことで、提案先の増加に繋がり、売上向上に貢献
・従来の方法では見つけることのできなかった土地情報の発見にも繋がり、新たなビジネスチャンスの創出にも貢献
――はじめに、御社の事業内容を教えてください。
グリーン・トランスフォーメーション(GX)を推進するため、ゼロエネルギーハウスの開発・販売と、グリーンエネルギー発電施設の開発・販売、発電設備の運用・保守管理、この3つの事業を展開しています。特徴は、個人の方が参加しやすいグリーンエネルギー事業を行っている点です。弊社のシンボルマークは「太陽と地球の最適な関係」を表現しています。これからの時代の変化を予測し、最先端のテクノロジーを活用することで、サプライチェーン全体のDX推進を図り、社会に貢献できる新たな価値を創出し、クリーンエネルギーの普及をより一層加速させていきます。
――ご自身はどのような役割・業務を担当していますか?
私たちは2人ともデジタルトランスフォーメーション部(以下、DX部)に所属しています。弊社は経済産業省が定める「DX認定事業者」認定を取得しており、DX部は社内のDX推進を担う中心的な部署となります。約1年半前から、本格的に社内の業務改善やシステム化等の社内改革に力を入れています。
※本インタビューは2024年9月に実施
土地データの保存先をスプレッドシートからPostgreSQLへ変更することが喫緊の課題に
――Reckonerの導入前にどのような課題がありましたか?
時系列でお話ししますと、まず、太陽光発電設備の土地仕入れ業務において、外部システムにある土地データを手作業でスプレッドシートへ転記していました。そのため、作業工数の負担が大きく、転記ミスや漏れのリスクもありました。また、扱えるデータ量が少ないことも問題点でした。
これを解決するために、外部システムの土地データを自動で登録する自社アプリをノーコードツールを利用して開発しました。
結果、土地データの登録において、手作業がゼロになったことで、ヒューマンエラー発生のリスクを撲滅。扱えるデータ量も増えました。
Reckonerを導入検討するきっかけとなったのは、この自社開発アプリのデータベースをスプレッドシートで構築していたため、登録行の限界とそれに伴う手動でのデータ退避の工数、アプリの動作遅延が喫緊の課題となったことでした。
もともと、土地データの保存先はスプレッドシートではなく、PostgreSQLにする構想はありましたが、スピード優先でまずはスプレッドシートで運用を行っていました。
しかし、スプレッドシートへのデータ登録に滞りが生じ、自社開発アプリの処理パフォーマンスが許容できる範囲を超えはじめたため、土地データの保存先をPostgreSQLへ変更することが急務となったのです。

Reckonerの決め手は「Webhookトリガーによるワークフローの起動」
――Reckonerを導入することにした経緯・理由を教えてください。
PostgreSQLへの変更に伴い、既存の自社開発アプリの改修と、スプレッドシートに蓄積された土地データをPostgreSQLに移行する必要性が生じました。これらの対応を自社のエンジニアが行うという選択肢もありましたが、今後の運用コストも継続的に発生することや、短期間で成果を出すには、外部ツールの活用が最適だと判断しました。
そこで、Reckonerを含む3社のETLツールを比較検討しました。従来から利用している国産ETLツール、海外製のETLツール、そしてReckonerです。
従来の国産ETLツールは連携コネクタを増やす際に追加料金が発生するため(当時契約のプランにおいて)、コスト面を考慮して他の安価なサービスも検討対象に含めました。
比較検討のポイントは、月額費用、要件適合性、操作性、処理速度、イベント起動、機能評価、コストです。

Reckonerは初めて扱うツールだったため、操作性において学習コストがかかる点や、処理速度の面で他社ツールに優位性がある部分が多くありました。しかし、以下の点を総合的に評価し、導入を決定しました。
- 複数コネクタが使用でき、安価に導入できる
- 自社で利用しているGoogleサービスへReckonerがアクセスする際の設定が簡単
- サービス同士の連携だけでなく、CSVやJSONなどのファイル形式のデータも取り込める
- エラーメッセージが解読しやすい
- GUI上で簡単なマウス操作で直感的にワークフローが構築できる
- Webhook機能により、任意のタイミングでワークフローが起動できるため、リアルタイムに近いデータ連携が可能
実は、外部システムにある土地データが「.geojson形式」のファイルだった点が課題でした。Reckonerも他社ツールもこれに対応していなかったためです。しかし、Google DriveへCSV形式で出力する形であればカバーできる範囲だと判断し、Reckonerの利用価値がそれを上回ると判断しました。
中でも決め手となったのは「Webhookトリガーによるワークフローの起動」です。この機能がない場合、1日1回や1時間に1回などの定期実行となり、ファイル取得からPostgreSQLへ連携されるまでに時間がかかってしまいます。そして、データ取得が無い場合でもワークフローが実行されてしまうため、余計なコストがかかります。Webhook機能があることで、ファイルが取得されたタイミングでワークフローを実行できるため、リアルタイム性の高いデータ活用が可能になります。このスピード感こそが、Reckonerを選んだ最大の理由です。
内製でエンジニアが開発する場合と比べてReckonerはコスト削減効果があると総合的に試算
――どのようなプロセスでReckonerを導入しましたか?
Reckonerは、トライアル環境を利用して検証し、約1ヶ月で本格導入しました。問い合わせ後すぐにトライアルを開始できたこともあり、社内では「一刻も早く導入したい」という機運が高まっていました。トライアルは私一人(中尾)で検証を行い、その後、稟議資料を作成し、本部長決裁を経て導入が決定しました。
Reckoner導入は、DX部が主導しました。現場の課題を把握し、データ活用方法やデータ自動連携の仕組みづくりを提案しました。
自社にもシステム開発のスキルを持つメンバーはいるため、稟議を通すためには、内製と外注の比較検討が不可欠でした。そこで、それぞれの方法における工数やコストを算出し、Reckoner導入による費用対効果を明確化しました。
具体的には、時給×(開発工数、運用工数、開発コスト、運用コスト、サービス利用料)を、月間と年間でそれぞれ算出し、総合的に比較しました。

エンジニアが開発する場合、月額のサービス利用料は発生しませんが、開発工数や運用コストは属人的な対応になるため、Reckonerよりも大きくなってしまうと予想されました。
内製でエンジニアが開発する場合と比べて、Reckonerはコスト削減効果があると試算し、これらの結果を踏まえ、Reckonerの導入を決定しました。
Google DriveとPostgreSQLを連携、太陽光発電設備の土地仕入れ業務で活用
――具体的に、どのようなワークフローを構築したか教えてください。
Reckonerは、太陽光発電設備の土地仕入れ業務で活用し、Google DriveとPostgreSQLを連携させています。
具体的には、外部システムから取得した土地データ(.geojson形式)を、Google Driveにアップロードすると、自動でCSVに変換、土地データのチェックを終えた後、Google Driveへ再出力されます。その後、Webhookを利用してReckonerのワークフローを起動、Google Drive上のCSVファイルを取得し、仕入れDBであるPostgreSQLが読み込めるデータ型に変換したり、マスタを作成したりといった処理を行います。そして、PostgreSQLに土地データを自動登録します。
視覚的にわかりやすく、エンジニアにとっても扱いやすい
――実際に使ってみて、Reckonerの性能やサービスの品質についてどう感じていますか?
Reckonerは、ワークフローの流れが視覚的に分かりやすく、非常に使いやすいツールだと感じています。国産ツールという点も安心感がありますね。
ノーコードツールでありながら、BigQuery SQLを使ってコーディングができる点も魅力です。Reckoner標準の機能ではデータ加工や連携が難しい場合でも、BigQuery SQLで自由に記述できるので、エンジニアにとっても扱いやすいツールだと感じています。
サポート体制が充実している点も高く評価しています。問い合わせへのレスポンスが早く、問題解決までの時間が短縮できます。実際に、過去にデータ連携でつまづいた際に問い合わせをしたのですが、迅速な対応のおかげで、すぐにワークフロー構築を再開することができました。
特に印象的だったのは、土地データのJSONファイルが「.geojson形式」のため、Reckonerで読み込めるかどうか検証した時のことです。結果は対応していなかったのですが、検証中も親身になって相談に乗っていただき、まるで二人三脚で課題解決に取り組んでいるような感覚で、非常に心強かったです。
また、データの結合処理や適切なタスクの組み合わせに迷っていた際には、ワークフローのサンプルを提供していただきました。そのおかげで、自力で試行錯誤する必要がなく、スムーズにデータ連携を実現できました。
最小限のシステム改修、無駄の無いデータ連携、売上貢献
――Reckonerの導入により、どのような効果・変化がありましたか?
自社開発アプリの改修を最小限に抑えることができました。具体的には、「.geojson形式」のファイルをCSVに変換し、Google Driveに出力する」仕組みを構築するだけで済みました。
スプレッドシートに蓄積されていた既存データも、Reckonerを用いることでスムーズにPostgreSQLへ移行することができました。
そして、ReckonerのWebhook機能のおかげで、タイムリーかつ無駄のないデータ連携も実現しました。データが更新されたタイミングでのみワークフローが実行されるため、システムへの負荷も軽減されました。
これらの結果、土地データの保存先がPostgreSQLへ変更されたことで、土地の仕入れ量が増加し、提案先の増加、そして売上向上に貢献しています。
また、仕入開発営業の方から、「地主様から『よく見つけたね』と仰っていただけました」という嬉しいお話が共有されたこともありました。Reckoner導入によって大量のデータを一括で自動処理できるようになったため、これまで見つけることができなかったような土地情報も発見できるようになったのです。
必要なデータを必要な時にすぐに入手できる環境を構築できたことは、DX部として大きな成果だと感じています。


新しいツールともスピーディーに連携可能
――今後どのようにReckonerを活用していくか、展望をお聞かせください。
Reckonerは、新しい用途での活用や、新しいツールとの連携も容易に実現できる点が魅力です。開発工数が少ないため、スピード感を持って対応できます。
今後は、様々な業務で発生するデータ連携や活用ニーズに対してReckonerを活用していきたいと考えています。
――最後に、スリーシェイクやReckonerに今後期待することがあればお聞かせください。
Reckonerは非常に使いやすく、大変満足しています。日々の業務効率化と売上増加に大きく貢献してくれています。
より一層の使い勝手を追求するとすれば、GUI上で複数の出力先を設定している場合、ワークフローの実行順番を任意で指定できると、さらに便利になると感じています。
また、タスク処理のステータス表示については、現状でも問題なく利用できていますが、画面を開きっぱなしの状態でもリアルタイムでタスクの進行状況が分かれば、よりスムーズにワークフローの構築を進められると感じます。
今後も、Reckonerの進化と、手厚いサポートに期待しています。
