独自開発のオンプレETLをReckonerに移行しデータ連携エラーがゼロに。データ連携処理にかかっていた時間を約40%削減

auコマース&ライフ株式会社

総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」の企画・運営 ・au PAY マーケット内直営店「au PAY マーケット ダイレクトストア」運営、他

インタビュー 
auコマース&ライフ株式会社 サービス本部 サービス推進部 佐藤 明日菜 様

週に数回連携エラーが発生、毎度2~3時間のリカバリー処理が必要

――貴社とサービス概要についてお教えください

当社は、「au PAY マーケット」の企画・運営を中心としたEC事業をメインに行っています。

au PAY マーケットは、KDDIと KDDIグループの当社が共同で企画・運営する総合ショッピングサイトです。au の各種サイトトップからの誘導に加え、全国の auショップ・UQスポットなどからの利用を促すことで、オンライン・オフラインの両方でユーザーへアプローチしています。

出店者様からは、出店費用や月額費用・手数料が低廉であること、auの各種サービスをご利用のお客様にアプローチできる点など高く評価を頂いております。

当社の強みは、KDDIの関連会社という大手企業のバックグラウンドがありつつも、ベンチャーマインドを併せ持ち、若手のうちから挑戦していける環境である点です。

今回は、au PAY マーケットの店舗別前日売上のデータ連携部分で、Reckonerを導入いたしました。

――Reckoner導入前の業務にはどのような問題がありましたか

以前は、システム開発会社に開発委託した独自のETLツール (.NETベース) を利用して、au PAY マーケットの前日の店舗別売上情報を、Salesforce に連携していました。この連携にはいくつかの大きな問題点がありました。

  1. データ連携エラー
    多い時だと週に数回、データ連携エラーが発生していました。エラーが原因で処理を完了できず、翌日までデータ反映を待ってもらうケースもありました。
  2. エラー発生後のリカバリー
    処理エラーが発生すると必ずリカバリー処理が必要となります。この処理を完了するのに毎度2~3時間が必要となっていました。多い月だと、月間15時間程度のリカバリー処理が発生したケースもあります。
  3. 処理時間
    エラーが発生せず処理が正常に進んだ場合でも、処理に時間がかかっていました。前日のデータ連携作業を、毎朝6時から自動で開始していますが、多くの社員が出社する9時半になっても処理が完了せず、10時頃までかかる場合もありました。
  4. コスト
    大きく分けて2種類のコストがかかっていました。
    (A)オンプレミスの専用サーバーの運用費
    (B)データ追加などの変更発生時の作業費
    これらのコストが高額であったことに加えて、取得するデータ項目の変更などが発生した際に、都度、作業と工数の見積もりと支払いが必要となっており、柔軟な変更が行えなかった点も問題でした。

Reckonerは、当社が必要な4点を全て満たしていた

――新たなツールの検討はどのように進められましたか

上記の問題点を解決するため、既存システムの完全リプレースを前提とし、複数のベンダーに相談しました。当初は、そのうちの1社と詳細を詰めていたのですが、検討をすすめる中で要件が合わないことを発覚しました。その後、クラウドでデータ連携できるツールを探し、Reckonerを知りました。

新しいツールを選定するにあたり重視したのは、以下の4点です。

  • クラウド型であること
  • 開発知識がなくても連携フローを作成できること
  • 日時スケジュールで自動データ連携できること
  • コスト

別なベンダーと話を詰めていた中での急な方向転換となったため、検討スケジュールは大変短い状況でした。よって、初回の問い合わせから1週間後にはテストを開始していました。

――Reckonerを操作してみてどう感じましたか

クラウド型であり、開発者でなくても直感的に連携フローが作成できる手軽さに好感を持ちました。日時スケジュールで自動連携も可能であることに加えて、「初期費用がかからない」点もコストパフォーマンスも良いと感じました。

また、実際にテストで触ってみてから「想定していた機能がない」「CSVを読み込んだ際に件数が分からない」などの問題がありました。これに対して Reckoner 担当チームの皆様は、当社が要望する機能を追加で実装頂き、臨時対応策などを提案いただくといった支援をいただきました。

なお、テスト期間中はSlackでほぼ毎日問い合わせをしていました。多くの質問を送っても全て丁寧に拾って回答いただきました。

――具体的にはどのような業務フローを構築しましたか

  • AWS S3上にある前日の店舗ごと売り上げデータを、変換した後、Salesforceにデータ連携を行っています。
  • 毎日処理するデータ件数は数万件程度です。
  • Salesforceへのデータ連携が正常に行われなかった時のために、Googleスプレッドシートへのデータ連携をバックアップとして行っています。

「連携時間の短縮」と「エラー件数ゼロ」に感動しました

――Reckonerを本番稼働してからの効果を教えて下さい

Reckoner導入前と導入後の比較をまとめました。

全ての点において大きく改善していますが、導入して特に感動したのは2点です。

1つめは、連携時間が大幅に圧縮できた点です。これにより、多くの従業員が業務を開始する時点で、データ連携処理は全て完了できているようになりました。結果、常に最新のデータをもとに議論・ビジネス判断ができるようになりました。

2つめは、Reckonerを稼働してからずっと、エラーがゼロ件であるという点です。以前のシステムでは、週に数回のエラーが発生し、エラーのリカバリーのために2~3時間を都度費やしていたため、月平均で15時間、年180時間程度の大幅な工数削減を実現できました。

上記2点以外にも、「エンジニアでなくても操作できるUIがある」「自分たちで処理変更を即座に行える(都度の開発依頼が不要でコミュニケーションコスト低減)」「Slackで手軽いサポート依頼できる」「コスト圧縮」といった点も大きなメリットとして感じております。

なお、これまでSalesfoceへのデータ連携においてエラーが1件もないため、バックアップ用のGoogleスプレッドシートは、幸いなことにまだ一度も使用しておりません。

スピード感/柔軟性重視のデータ連携にReckonerが最適

――Reckonerはどのような組織や課題に最適でしょうか

2点あります。

1つめは、「新規のデータ連携や項目追加のたびに、システム開発会社に依頼せずに済ませたい企業」です。Reckonerは、データ連携や項目追加などの新規処理の追加や項目追加などを、UI上の操作で実現できます。このため、旧来型のシステムのように「変更があるたびに、システム開発会社に問い合わせて、見積もりを出してもらい、予算を確保し、発注する」必要がありません。

2つめは、「スピード感と柔軟性重視でデータ連携を行いたい企業」です。例えば、「一度決めたデータ連携先ならびデータ項目のみを取得する」のではなく、「状況に応じて柔軟にデータ連携先や項目を変更する」ようなケースです。

――今後の展望についてお教えください

現在、Reckonerは以前のシステムで行っていたのと同じデータ連携処理を行っています。今後はさらなる自動化や業務改善にReckonerを活用していきたいと考えております。

例えば、Googleスプレッドシートなどで管理している手入力のデータがあります。これをSalesforceと連携させようとした場合、Reckonerを利用すれば可能です。将来的には、au PAY マーケット出店店舗のマイページとSalesforceを連携させ、特定の条件に合致した店舗にお知らせしたい内容が自動的にマイページに表示されるようにしたいです。

また、こうした仕組みとBigQueryを連携させ、自動的にデータ分析をしつつ、店舗に対して能動的な提案を行うなど、店舗の売上アップに貢献するような仕組みづくりを行いたいと考えております。

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