Power AutomateとETL、それぞれの得意分野を見極める

「業務効率化」は、あらゆるビジネスにとっての永遠のテーマと言えるでしょう。特に、デジタル化が加速する現代においては、様々な業務効率化ツールを駆使することが、ビジネスの成否を分ける鍵となります。

今回は、数ある業務効率化ツールの中でも、「Power Automate」と「ETL」に焦点を当て、それぞれの違いや得意分野、ユースケース例について解説していきます。

目次

Power Automateとは?

「Microsoft Power Automate」(旧称:Microsoft Flow)は、Microsoftが提供する業務自動化ツールです。 プログラミングの知識がなくても、GUI上で視覚的に操作できるため、誰でも簡単に業務プロセスを自動化できます。

例えば、

  • 毎朝決まった時間に、顧客にメールを送信する
  • Webサイトから情報を収集し、Excelに自動入力する
  • フォームの回答内容に応じて、担当者に自動でタスクを割り当てる

といった、これまで手作業で行っていた定型業務を自動化することができます。

Power AutomateとETLの違い

Power AutomateとETLはどちらも「業務効率化」に貢献するツールですが、その役割や機能には大きな違いがあります。

  • Power Automate は、主に 「業務の自動化」 を目的としています。日々の業務の中で、繰り返し行っている定型業務を自動化することで、業務効率化とヒューマンエラーの削減を実現します。
  • ETL は、「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(ロード)」の頭文字をとったもので、 「データの統合・変換」 を目的としています。 複数のシステムから必要なデータを抽出し、目的に合わせて加工・変換した上で、データウェアハウスなどにロードします。

Power Automateのユースケース

Power Automateは、以下のような業務シーンで特に効果を発揮します。

  • 営業活動の効率化:顧客情報と連携したメール送信や、提案書作成の自動化など
  • マーケティング活動の自動化:見込み顧客へのメール配信や、Webサイトからの情報収集の自動化など
  • 人事・経理業務の効率化:従業員情報の一元管理や、請求書処理の自動化など
  • 顧客サポートの向上:問い合わせ対応の自動化や、FAQの自動生成など

Power Automateの導入メリット

Power Automateを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 業務効率化:定型業務を自動化することで、時間とコストを大幅に削減できます。
  • ヒューマンエラーの削減:手作業によるミスを減らし、業務の精度を高めることができます。
  • 従業員満足度の向上:単純作業から解放されることで、従業員のモチベーション向上や、より創造的な業務への集中を促進できます。
  • 低コストでの導入:Power Automateは、Microsoft 365のプランに含まれている場合もあり、低コストで導入できます。

Power Automateの導入デメリット

一方で、Power Automateには以下のようなデメリットも存在します。

  • 複雑な処理には不向き:高度なプログラミングが必要な複雑な業務処理には対応できません。また、他のツールへデータを渡す際に前処理(データクレンジング)が必要な場合は、事前の手動対応が必要です。
  • 大規模データの処理には不向き:大量のデータを扱う場合は動作が遅くなることが多く、ETLツールの方が適しています。
  • ネットワーク環境への依存:Power Automateはクラウドサービスのため、安定したネットワーク環境が必要です。

Power Automateで対応できない業務はETLにお任せ

上記でご紹介したように、Power Automateは非常に便利なツールですが、全ての業務に対応できるわけではありません。Power Automateは、ツールからツールへの単純なデータ受け渡しや、固定化されたタスクの自動化に向いていると言えるでしょう。

例えば、以下のような業務には、ETLツールの方が適しています。

  • 大規模データの収集・統合・分析:複数のデータベースやシステムから、大量のデータを収集・分析する場合
  • 複雑なデータ加工・変換:データの形式変換や、複数のデータを組み合わせた複雑な計算が必要な場合
  • データクレンジング:データに含まれるエラーや不整合(表記揺れや名寄せなど)を修正する場合

データクレンジングについて

データクレンジングとは

データクレンジングとは、データの中に存在する誤りや不整合を検出し、修正するプロセスのことです。

具体的には、

  • 重複データの削除
  • 表記ゆれの統一
  • 欠損値の補完
  • 異常値の修正

といった処理を行います。

データクレンジングの重要性

データの品質は、分析結果の精度に直結します。どれだけ高性能な分析ツールを導入しても、分析対象となるデータの品質が低ければ、正確な分析結果を得ることはできません。

データクレンジングによってデータの品質を高めることで、より正確で信頼性の高い分析結果を得ることができ、精度の高いビジネス判断が可能になります。

データクレンジングを行わないとどうなるか?

データクレンジングを行わずに、品質の低いデータを用いて分析を行うと、以下のようなリスクが生じます。

  • 誤った分析結果に基づいた意思決定
  • 機会損失
  • 顧客からの信頼低下
  • コンプライアンス違反

ETLのユースケース

ETLは、Power Automateでは対応が難しい、より複雑で大規模なデータ処理が必要な業務で力を発揮します。具体的なユースケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • ビジネスインテリジェンス(BI):企業内の様々なデータを統合・分析し、経営判断に役立つ情報を提供します。
  • データウェアハウスとの連携:企業内の様々なデータを一元的に集約・保管し、分析やレポーティングに利用します。
  • データクレンジング:データ利活用においては下準備が9割と言われています。適切に前処理を行うことで、正確なデータを取り扱うことが可能になります。

具体的なツール間のETLユースケースについては以下のページをご参考ください。

Reckonerの活用方法を、業務別・お悩み別にまとめました。

まとめ

今回は、Power AutomateとETLの違い、そしてそれぞれの得意分野について解説しました。

業務効率化を検討する際には、それぞれのツールの特徴を理解し、自社の課題や目的に最適なツールを選択することが重要です。

複数ツール間の連携がある場合や、大量データを扱う場合、多数のデータソースを統合する場合、データ活用前の前処理(データクレンジング)などが必要な際には、ETLがおすすめです。そして、ETLの中でも、kintone・Salesforce・Google BigQuery・カオナビなど、100種以上の多種多様なSaaSと連携が可能で、初期費用0円、クラウドだから運用負担も軽いReckonerであれば、簡単にETLを始めることができます。

Reckonerは、データの集約・加工・連携をノーコードで誰でも簡単に実行できるクラウドサービスです。コーディングを行うことなく、ブロックを繋げるような簡単3ステップのマウス操作で、すばやくラクにデータを連携します。

Power Automateの置き換えを検討されている方や、Power AutomateとETLのどちらを導入するか迷われている方は、お気軽にお問い合わせください。

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