脱Accessを検討する前に知っておくべきこと——あなたのAccessは「データベース」ではなく「加工処理エンジン」かもしれない

「脱Access」を検討してkintoneやPower Appsを比較している方に、まず確認していただきたいことがあります。あなたの会社のAccessは、何をしていますか?データを保存しているだけですか?それとも、CSVを加工・変換して基幹システムに渡していますか?この違いによって、正しい移行先はまったく変わります。

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目次

「脱Access」記事のほとんどが見落としていること

「脱Access」で検索すると、kintone・Power Apps・FileMakerへの移行を勧める記事が上位に並んでいます。これらは間違いではありませんが、重大な前提が抜けています。

Accessには2種類の使われ方があります。

① DBとして使われているAccess

顧客情報・在庫情報・案件情報などを蓄積するデータベース。入力フォーム・一覧画面・帳票出力が主な機能。kintone・Power Apps・FileMakerが適切な移行先です。

② ETLエンジンとして使われているAccess

CSV取込→データ加工・コード変換・フォーマット変換→基幹システムへの出力。データの変換・加工処理が主な役割。このAccessの移行先はkintoneでもPower Appsでもありません。

多くの「脱Access」記事は①しか扱っていません。しかし製造業・流通業・卸売業など、基幹システムを持つ企業の多くでは②の使われ方をしているAccessが存在します。

あなたのAccessはどちらか——診断チェックリスト

以下のA・Bそれぞれに当てはまる項目を確認してください。

ETL用途のAccessをkintoneに移行すると何が起きるか

「脱Access=kintone移行」で動いた企業が経験する典型的な失敗パターンです。

ケース1:加工処理が移行できない

kintoneはデータベース・業務アプリとして優れていますが、「CSVを取込んでコード変換して別のファイルを出力する」という処理は標準機能では対応できません。kintoneに移行してもCSV加工・基幹連携の処理はAccessかExcel VBAで残り続けます。

ケース2:kintoneの設定が属人化する

加工処理をkintoneのJavaScriptカスタマイズで実装しようとすると、今度はその設定ができる人間に依存する状態になります。「AccessのVBAの属人化問題」が「kintoneのJavaScriptの属人化問題」に置き換わるだけです。

ケース3:移行コストを払ったのに課題が残る

kintoneの導入費用・移行工数を投じた後で「結局Accessも残っている」という状態になります。二重管理・二重コストが発生します。

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ETL用途のAccessの正しい移行先

ETL用途のAccessが担っている処理は、ETL/データ連携ツールで代替する必要があります。

なぜETLツールが必要か

ETL(Extract・Transform・Load)は:

  • Extract(抽出):CSVや外部システムからデータを取り出す
  • Transform(変換):コード変換・フォーマット変換・データ加工を行う
  • Load(ロード):基幹システムや別のDBに出力する

Accessが担ってきたのはまさにこのETL処理です。この処理はETLツールで代替するのが自然です。

Reckonerとは

Reckonerは株式会社スリーシェイクが提供するノーコードETL/データ連携ツールです。AccessのVBA・クエリが担っていたETL処理(CSV取込・マスタ変換・フォーマット変換・基幹システムへの連携)をGUIで設定し、誰でも保守できる状態で自動実行できます。

  • 主な対応データソース:CSV / MySQL / PostgreSQL / kintone / Salesforce 他
  • 主な連携先:基幹システム / kintone / Salesforce / Snowflake / BigQuery 他
  • 特徴:ノーコードGUI・スケジュール自動実行・差分更新・設定の可視化

用途別・正しい移行先まとめ

Accessの用途課題正しい移行先
DB用途(入力・蓄積・帳票)複数人同時編集不可・クラウド非対応kintone / Power Apps / FileMaker
ETL用途(CSV加工・変換・基幹連携)属人化・手動実行・保守不能Reckoner等のETLツール
混在型(DB+ETL)上記両方kintone等+Reckoner の組み合わせ

混在型の場合:分けて対応する

DB機能とETL機能が1つのAccessに混在している場合、2つに分けて対応します。

ステップ1:ReckonerでETL処理を先に移行・自動化する ステップ2:kintone等でDB機能を移行する ステップ3:Accessを廃止する

ETL処理を先に移行することで、DB移行と加工処理移行の複雑さを分離でき、リスクを下げながら段階的に進められます。

まとめ

「Accessを廃止してクラウド化しよう!」と考えたとき、多くの企業が真っ先にkintoneなどの定評あるツールへの移行を検討します。しかし、自社のAccessの役割を正しく見極めないと、移行プロジェクトは高確率で頓挫してしまいます。

今回の重要なポイントを改めて整理しておきましょう。

  • Accessには「2つの顔」がある
    Accessの用途には、データの入力や保管を行う「データベース(DB)用途」と、データの取り込み・加工・出力を行う「ETL(加工処理エンジン)用途」の2種類が存在します。
  • kintoneへの移行だけでは「加工処理」は解決しない
    kintoneやPower Appsは優れたDB・画面構築ツールですが、Access VBAで行っていたような「複雑なデータの成形やコード変換」といったETL処理は苦手です。そのため、ETL用途のAccessをそのまま移行しても、加工処理の行き場がなくなってしまいます。
  • ETL用途の正しい移行先は「Reckoner」
    データの加工やシステム間の連携を担っていたAccessの正しいバトンタッチ先は、同じくデータ連携・加工の専門家である「Reckoner(レコナー)」のようなETLツールです。
  • 「混在型」は、まずETL処理の切り離しから
    DB用途とETL用途の両方の機能を持っている「混在型」のAccessをお使いの場合は、先にETL処理をReckonerへ移行することを強く推奨します。重たい加工処理を外に逃がしてAccessをシンプルな「DB」に戻してから、段階的にクラウドへ移行するのが安全で確実なステップです。

「脱Access」の目的は、業務をよりシンプルに、そして効率的にすることです。 まずは自社のAccessがどちらの役割を果たしているのか、先ほどのチェックリストを使って見極めることから始めてみてください。役割に応じた適切なツール(kintone × Reckonerなど)を組み合わせることこそが、業務改善を成功させる最大の近道です。

よくある質問(FAQ)

Q. 自社のAccessがDB用途かETL用途かわからない場合はどうすればいいですか?
A. チェックリストで判定できない場合は、「そのAccessが何を受け取って何を出力しているか」を確認してください。ファイルを入力してファイルを出力している場合は、ETL用途の可能性が非常に高いです。ご不明な場合はお気軽にご相談ください。

Q. kintoneとReckonerを両方導入する必要がありますか?
A. 混在型の場合はそうなります。ただし、DB用途の部分(画面やデータの蓄積)が現状のAccessのままで問題なければ、まずはETL処理だけをReckonerに先行して移行することから始めることができます。

Q. ETL用途のAccessをReckonerに移行する工数はどのくらいですか?
A. 処理の複雑さによりますが、シンプルなCSV変換・基幹連携であれば2〜4週間で稼働できます。

Q. 脱Accessと言っているベンダーにReckonerのことを相談できますか?
A. はい、もちろん可能です。 Reckonerはまさに「脱Access」の文脈でのご相談を数多く受け付けています。まず現状のAccessの処理内容をヒアリングした上で、用途に応じた最適な対応方法をご提案します。

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