DaaS(Data as a Service)について理解する

昨今、データ活用の重要性が増加するとともに、データ管理にまつわる工数が増大しています。

そこで注目されているのが、クラウドを活用した統合的なデータ管理を実現する「DaaS(Data as a Service)」です。

本記事では、DaaSの定義やパターンを解説し、そのうえでどのようなメリットがあるかを解説していきます。

目次

DaaSの定義について解説

DaaS(Data as a Service)とは、データに関わる以下の機能をクラウドリソースで利用できるサービスです。

  1. データセット
  2. データストレージ
  3. データ処理
  4. データ解析

DaaSはオンプレミスの環境構築が不要なため、SaaS(Software as a Service)と似ています。DaaSは、SaaSと同様にサーバの運用管理を考えず、「サービスとしてのデータ利用」だけに集中できます。

DaaSには4つのパターンがある

DaaSには、主に以下の4つのパターンがあります。

  1. データ計算・処理リソース提供サービスプラットフォーム
  2. データ分析ツール
  3. データセット提供
  4. カスタマイズサービス

それぞれのパターンを解説しましょう。

データ計算・処理リソース提供サービスプラットフォーム

1つ目は、クラウド上でユーザーのデータ処理を高速でおこなうサービス提供です。具体的には、「ETL」と「ML(機械学習)」がよい例です。

ETLとは「Extract (抽出)、Transform(変換・加工)、Load(格納)」の頭文字を取った言葉で、データ統合を行う処理または処理を行うためのツールを指します。かつてETLは、各企業が独自に開発していたり、オンプレミス上に構築する必要がありましたが、現在ではクラウド経由で「データ処理サービス」として利用可能となっています。

MLとは「Machine Learning」の略で、機械学習を指します。多くのクラウドベンダーではすでにMLはサービスメニューの1つとして提供されています。クラウド上のリソースを活用し、大量のデータを繰り返し学習させることで、プログラム自身で高度な判断が可能となります。

データ分析ツール

2つ目は、主にユーザーが利用するデータ分析ツールをクラウド上で提供するサービスです。「Tableau」などの、クラウドベースのBIツールが当てはまります。

多くの企業では、オンプレミスの環境よりも、SalesforceやMarketo、KintoneなどのSaaS環境が業務システムの中心となっています。このため、複数のSaaSと接続してクラウド上でBIを提供するサービスも、ある種の「DaaS」と呼ぶことができます。

データセット提供

3つ目は、クラウド上でデータセットを提供するサービスです。例えば、気象情報、地域情報、企業の人事情報などです。これもDaaSの一種といえます。

インターネット経由でデータセットを提供するサービスはクラウド登場以前からありました。しかし、以前のサービスはデータセットをダウンロードし、データセットの実装は自身で手動で行う必要がありました。

SaaS利用の進展により、提供されるデータセットをそのまま、主要なSaaSに搭載することが可能となっています。これにより、ユーザー側でのデータセットの実装作業がほぼ不要となりました。

IoT, IIoT

4つ目は、IoTなどから取得したデータを分析可能な状態にし、クラウド経由で提供するサービスです。こうしたサービスはIIoT (Industrial IoT)と呼ばれることもありますが、DaaSの一種といえます。

こうしたDaaSは、「プラットフォームとして、統一的なデータ収集・分析手法」をサービスとして提供しています。例えば、GEデジタルが提供する「Predix」や、シーメンスが提供する「Mindsphere」などが有名です。しかし、業界全体での統一的な仕様策定には至っておらず、横断的な普及には至ってません。

DaaSのメリット

DaaSには、以下3つのメリットがあります。

  • コスト低減につながる
  • データ活用の促進ができる
  • 安定稼働を実現できる

コスト低減につながる

DaaSは、クラウド上でサービスが提供されるため、コスト低減につながります。

オンプレミスのように、ハードウェアの調達や細かな環境設定が不要なため、初期コストを削減できます。さらに、保守運用も不要となり、管理者はデータ活用などの業務に集中できます。

また、Daasは利用数に応じた料金支払いの形態のため、人件費、工数、ハードウェアコスト、ソフトウェアコストの削減ができるでしょう。

これまで収集・分析できなかったデータを活用できる

DaaSを利用することで、ユーザーのデータ活用が促進されます。加えて、これまで収集・分析できなかったデータの活用も可能となります。

より広いデータを分析することで、これまでにない視点や切り口の発見につながります。結果、データ分析結果を「売上・利益創出」「コスト削減」「安全性や信頼性の向上」などに活かす事が可能となります。

安定稼働を実現できる

クラウド上で安定稼働するDaaSを利用することは、各組織のデータ基盤の安定稼働にも貢献します。

DaaS事業者の多くは、クラウド上のサービス安定稼働に実績があります。このため、大多数のユーザー企業は、「自社で頑張ってサービスを構築運用するよりも、すでに実績があるDaaSを利用するほうが、安定的にサービス利用できる」と判断します。

まとめ

今回は、DaaSの定義ならびに実際に提供されているDaaSのパターンを解説しました。

DaaSといっても、1つの機能やサービスを意味するわけではありません。様々な機能やサービスの総称であり、活用するには知見が必要です。

弊社3shakeは、データ統合基盤の戦略策定から運用までを総合的に支援しています(DaaSの活用についても含みます)。データの活用ならびにデータ統合、データ基盤の構築を考えている企業様は、ぜひ3shakeまでご相談ください。

また、ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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