Excelで大量データを操作する7つのリスクと解決策を理解する

各種データソースから、Excel形式やCSV形式でデータをエクスポートして、必要な編集作業をExcel上で行っている組織は未だに多いのではないでしょうか。

しかし、こうしたマニュアル作業にはリスクがあります。

今回は、Excelで実現するデータ統合および活用のリスクを解説し、その代わりとなるETLツールのメリットも紹介します。

目次

大量データをExcelで編集するリスク

多くの組織では、全てのPCにExcelをインストールして日々の業務に利用しています。このため、抽出したデータをExcel上で操作したり、操作したデータを共有するのに追加の費用がかかりません。また、既に日々の業務でExcelを利用しているため、データ抽出後にExcel上で操作を行う場合、Excel自体の学習コストは非常に少なく済みます。

このため、多くの組織ではExcel形式やCSV形式でデータを抽出し、所定の形式にフォーマットを整えるなど、多様な形で利用をしています。

しかし、Excel利用に関しては以下に記載するリスクがあります。

7つのリスク

  1. 膨大なデータを扱えない
  2. 複雑なデータ処理ができない
  3. データの整合性や質の担保が困難
  4. 他SaaSとのデータ連携ができない
  5. バージョン管理が難しい
  6. 処理を自動化しようとすると、マクロ作成が必要
  7. 手作業による作業ミス

Excelは、表計算ソフトとしての機能がメインであるため、膨大なデータを処理するのに向いていません。Excelで保持できるデータは1シートあたり1,048,576行までとなっています。複数のシート生成によってより多くのデータ保持が可能ですが、その分処理が重くなってしまうのです。

また、データ処理の一連の流れとなるトランザクション処理をすることにも向いていません。具体的には、関数を使った複数の処理を実施しようとしたときに、途中で処理が重くなってクラッシュしてしまい、最悪の場合にはデータの欠損につながります。

他にも、データの改変や削除が簡単に実現できてしまいます。その結果、データの整合性が取れなくなり、質の低下につながってしまうでしょう。

最近活用が進んでいるSaaSシステムとの連携についても、Excelで作成したデータを連携するためには画面操作などによってCSVのインポートをしなければなりません。手動での作業となるため、Excelからさまざまなシステムへインポート処理をしていると、工数が大きくかかってしまいます。

バージョン管理が難しい課題もあります。Excelは、バージョンごとにファイルを保持する運用が多いため、バージョンの数だけファイルが生成されてしまうのです。その結果、最新のファイルを見極められずに、古いファイルのまま使ってしまうケースもあります。

また、Excelにはマクロの機能があり、処理の自動化に向いているものの、管理工数がかかるためブラックボックス化しやすいです。マクロを使わずに実施した場合には、手作業によるミスも発生しやすい問題もあります。

大量データをExcelで操作することによるリスクを回避するためには、データソースからデータを抽出し、必要な形に変換した後に、目的に応じた形でデータをロードする「ETLツール」が必要です。

ETLツールを活用したデータ管理

ETLツールを利用することで以下のメリットがあります。

大量データの扱い

ETLツールは、さまざまなデータソースから収集したデータを加工し、大規模データベースとなるDWH(データウェアハウス)へ格納するため、大量データの扱いに優れています。さらに、DWHは複数の処理を同時に実行できるため、一般的なデータベースよりも高速なデータ処理が可能です。Excelの上限を大幅に超えるデータ操作も可能です。

自動化により人的ミスを削減

ETLツールは、ワークフローの構築やスケジュール実行が可能なため、一度構築すれば全ての処理を自動化できます。自動化により、ヒューマンエラーの防止にもなるため企業のガバナンス強化につながります。

複雑なデータ処理も可能

ETLツールでは、以下のような複雑なデータ処理も可能です。

  • データの暗号化
  • 文字列変換
  • カラム変換
  • API連携
  • フォーマット変換
  • 結合グループ化

この中でも、API連携はExcelで実現できない機能となっています。API連携とは、システム間をインターネット通信でつなげる機能のことです。API連携の活用により、システム間の連携をAPIで実現できるため、CSVによる取込などが不要になります。

データ連携先が多数

ETLツールは、ファイルやSaaSなどのさまざまなデータソースへ連携が可能です。具体的には、以下のようなものがあげられます。

  • Googleスプレッドシート
  • Excel
  • CSV
  • GoogleBigQuery
  • MySQL
  • ORACLE
  • Kintone
  • Salesforce
  • Slack

幅広い連携先が提供されているため、あらゆるデータソースの統合を実現できるでしょう。

データ処理のブラックボックス化を回避

ETLツールは、GUI上で全ての処理のワークフローを把握できるため、ブラックボックス化を回避できます。バッチ操作によるデータ連携を実施していると、どのようにデータ連携が実施できているのかがブラックボックス化されやすいです。なぜなら、どの端末でバッチ処理が実施されているのかが一元管理できず、システムの管理者しか把握できないためです。

ETLツールであれば、ツール内でデータ連携に関する処理を一元管理できるため、ブラックボックス化の防止につながります。

まとめ

今回は、Excelでのデータ統合および活用のメリットとデメリット、その代わりとなるETLツールのメリットを解説しました。

Excelでのデータ活用は気軽に導入しやすい反面、複雑な処理やシステム間の連携に向いていません。ETLツールであれば、Excelが抱えているデメリットを解消するのに加えて、管理面にもメリットが大きいため、データ活用をするのであれば是非導入したいところです。

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ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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