データ活用とは?メリットや進め方、成功させるためのポイントを解説

近年はあらゆる情報がデータ化されており、企業の成長にデータ活用が欠かせない時代になってきました。そのため、データ活用に取り組んでいかなければならないと課題に感じている企業の方もいるでしょう。
しかし、データ活用が重要とわかっていてもどのように活用すればよいのか、はたまたどのような効果が得られるのか明確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、経営の課題を解決するためのデータ活用について解説していきます。
目次
- データ活用とは
- データ活用のメリット
- データ活用によって解決できる課題
- 活用できるデータの種類
- データ活用を行うための5つのステップ
- データ活用を成功させるための3つのポイント
- データ活用の企業事例
- データ活用で経営戦略をより効果的にするなら「Reckoner」
データ活用とは?メリットや進め方、成功させるためのポイントを解説
データ活用とは、企業内で保持しているさまざまなデータを活用し、ビジネス上の課題を解決していくことです。では、似たような言葉であるデータ分析とはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、データ活用とデータ分析の違いや目的を解説します。
データ分析との違い
データ活用は、さまざまなデータを組み合わせて算出された分析の結果をベースに、経営上の課題の解決やサービスの成長に役立てていくのが目的です。
一方で、データ分析はデータ自体の加工や集約、可視化することで特徴やパターンを導き出すことを目的とします。つまり、データ分析を実施した先にデータ活用が存在するという事になります。そのため、データ分析はデータ活用を見据えて行なう事で、より良い分析が可能になると言えるでしょう。
データ活用の目的
データ活用には、主に以下の目的があります。
- 業務効率化
- 経営判断や意思決定の判断材料としての活用
現場では、日々業務をこなしていく中でさまざまな課題を感じているでしょう。データ活用することで、今ある課題に対して、どのような改善をすべきかが見えてきます。さらに、企業にとって重要な経営判断や意思決定においても、データ活用が効果的です。具体的な内容については、次の章で解説します。
データ活用の必要性
現代の企業成長には、社内データをビジネス課題の解決に繋げる「データ活用」が不可欠です。その最大の必要性は、経験や勘に頼った属人的な判断を脱却し、客観的な根拠に基づく意思決定を可能にする点にあります。
具体的には、施策の投資対効果の可視化、売上予測の精度向上、不採算案件の早期発見、労働環境の整備などが挙げられます。データを経営の判断材料とすることで、組織全体の質を高め、確実な成長を実現できます。
データ活用のメリット
データ活用は、単なる数値の集計にとどまりません。蓄積された情報を分析し、次のアクションへと繋げることで、企業の競争力を根本から高めることができます。ここでは、データ活用がもたらす主要な3つのメリットを解説します。
意思決定のスピード・精度向上
従来のビジネス現場では、担当者の経験則や「おそらくこうなるだろう」という希望的観測で物事が決まることが少なくありませんでした。しかし、データを可視化することで、現状を客観的に把握できるようになります。例えば、新製品の売上予測において、過去の推移や市場動向をETLツールなどで統合・分析すれば、個人の主観を排除した精度の高いシミュレーションが可能です。
根拠が明確になることで、会議での合意形成もスムーズになり、変化の激しい市場環境においてスピーディーに次の一手を打てるようになります。
業務の効率化・コスト削減の推進
データ活用は、守りの経営においても強力な武器となります。例えば、過去の案件データを蓄積・参照することで、進行中のプロジェクトが不採算に陥る兆候を早期に察知し、対策を講じることが可能です。また、人事データや勤怠データを分析すれば、特定の部署に偏っている過度な負荷を可視化し、離職防止や労働環境の改善に役立てることもできます。
感覚に頼らず「どこにコストがかかっているか」を正しく把握することで、抜本的な業務プロセスの見直しと無駄の排除が実現します。
売上の最大化
マーケティング活動において、リード(見込み顧客)の数だけを追うのは危険です。データ活用によって「どのチャネルから流入した顧客が、最終的にどれだけの売上に貢献したか」というROIを可視化できれば、質の低い施策を淘汰し、真に有効な施策へ予算を重点配分できるようになります。
顧客の購買行動や特性をデータで深く理解することで、最適なタイミングで最適なアプローチが可能になり、結果として成約率の向上と売上の最大化を安定的に狙えるようになります。
データ活用によって解決できる課題
データ活用は、数多くの課題解決に貢献します。今回はその中でも、4つの課題について解説します。
- 属人的なマーケティングの撤廃
- 数値予測の精度向上
- 不採算案件の早期発見
- 社内メンバーの労働環境の整備
属人的なマーケティングの撤廃
データ活用により、経験や勘に頼った属人的なマーケティングを撤廃できます。例えば担当者が、「過去にうまくいったと言われている施策なので、同じやり方でやってみる」といっているが、本当にうまくいったかどうかの真剣な検証が行われていない場合などです。
施策がうまくいったかどうかは、「リードを何件獲得しました」「商談が何件できました」ではなく、「投下した金額と、成果が見合っているかどうか」を中期的、長期的に確認しなければなりません。いわゆる「マーケティングROI」を正しく算出する必要があります。
これを怠ると、一見うまく行っている施策であっても、「リードの量は多いが、質が低すぎて、売上に全く貢献していない」といった施策を繰り返し行ってしまうことになります。
これを避けるために、ETLを利用してマーケティング関連のデータを定期的に算出し、施策がうまくいっているかどうかを、感覚ではなくデータとしてROIを算出、把握することで、本当に意味で効果的な施策の実施が行えるようになります。
数値予測の精度向上
データ活用は、新製品の売上予測などを算出する際にも効果的です。
新製品の担当者は、自分が心を込めて育ててきた企画を通すため、自分に有利な条件で試算を行いがちです。一見中立的に見えるデータであっても、そうではない場合があります。
そして、会社としては、新製品開発担当者の熱意は認めつつも、赤字を生んでしまう企画を通してはいけないので、厳格に審査する必要があります。
このため、新製品の提案を行う際には、担当者が持ってきたデータが本当に間違いがないか、意図的に改ざんしていないかを判断する必要があります。いわば、「データの裏取り」です。
もし、会社として「提案するデータの根拠となる主要な指標」をETLで自動取得・管理し、定期的に更新を行っていれば、正しいデータに基づいた議論が可能となります。
不採算案件の早期発見
不採算案件には、「受注前から予測できた不採算案件」と「受注後に不採算となることが判明した案件」があります。データ活用は、この両方の発見に役立ちます。
まず、「受注前から予測できた不採算案件」です。例えば、営業が受注を急ぐあまり、採算性について甘く判断して通そうとするケースが想定されます。
このようなケースの場合、過去の案件データベースを作成しておき、ETLを用いてデータを整理し検索可能な状態にすることで、提出された工数見積が、過去の実績と比べて本当に適正なのか、不採算とならないかを判別できます。
また、「受注後に不採算となることが判明した案件」についても同様です。進捗が遅れている、予定より工数がかかっている、などのネガティブな兆候が見えてきた段階で、本当に不採算とならないか、もし不採算になりそうであれば、どうすれば避けられるかを、過去の案件データベースを踏まえて議論できます。
また、プロジェクト管理ツールならびに過去の案件管理データベースを機械学習させることで、「危ない兆候がでてきたら、事前に通知を送る」ような活用方法も可能です。
社内メンバーの労働環境の整備
人事データの活用は、社内メンバーの労働環境の整備にも繋がります。
例えば、過去の休職者や退職者などの情報と、問題が発生する前の勤務時間などのデータを学習させることで、「このような勤務が続くと離職率が上がる」「このような場合に休職者が多く発生している」いった情報がデータとして把握できます。
従業員が入力する勤怠データを、ETLで整理・加工した後で、機械学習を行うことで、「こうした場合には、社員の残業時間を半ば強制的に減らす」「休職者を多く発生させている管理職は、人事トレーニングを受講させる」といった対応をより精緻に行えるようになります。
活用できるデータの種類
データ活用を成功させる第一歩は、社内外に散在する「どのデータが武器になるのか」を把握することです。
ビジネスで活用されるデータは、大きく分けて自社内で蓄積される「内部データ」と、市場や競合の状態を示す「外部データ」に分類されます。これらを組み合わせることで、単一のデータだけでは見えてこない多角的な分析が可能になります。例えば、売上データに顧客属性やSNSの反応を掛け合わせることで、特定の層にヒットした本当の理由を突き止め、次の施策の精度を高めることができます。
活用できる主なデータとその用途を以下の表にまとめました。
活用できるデータの種類一覧
| カテゴリ | 具体的なデータ種別 | 活用イメージ・価値 |
| 営業・販売 | 売上、受注履歴、見積・商談状況 | 売上予測、不採算案件の特定、営業効率の改善 |
| 顧客・マーケ | 顧客属性(年齢・居住地)、Web行動履歴、SNS反応 | 顧客ニーズの把握、パーソナライズされた販促 |
| 業務・工程 | 製造・物流コスト、在庫数、プロジェクト工数 | 在庫最適化、業務プロセスのボトルネック解消 |
| 人事・組織 | 勤怠データ、採用・離職履歴、評価指標 | 離職リスクの予測、最適な人員配置、労働環境改善 |
| 外部環境 | 市場トレンド、競合価格、気象・統計データ | 需要予測、外部要因による変動リスクの把握 |
データ活用を行うための5つのステップ
データ活用を成功させ、ビジネスの成果に直結させるためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。場当たり的に分析を始めるのではなく、以下の5つのステップに沿って進めることで、組織全体で価値を生む仕組みを構築できます。
- 目的と課題の明確化
- データ分析の体制・基盤の構築
- データ収集・蓄積
- データの可視化・分析
- アクションプランの策定
目的と課題の明確化
データ活用の第一歩は、技術的な準備ではなく「何を解決したいのか」という目的を定めることです。「売上の低迷を打開したい」「現場の残業時間を削減したい」といった具体的な経営課題を起点にすることで、収集すべきデータや分析の方向性が定まります。目的が曖昧なまま進めると、データの海に溺れてしまい、成果に繋がらない「分析のための分析」に陥るリスクがあるため注意が必要です。
データ分析の体制・基盤の構築
目的が決まったら、それを実現するための「人」と「仕組み」を整えます。専門的な知見を持つ人材の確保に加え、社内に点在するデータを一元管理できるシステム基盤(データレイクやデータウェアハウスなど)の構築が重要です。
※データ分析に関する解説記事も併せてお読みください
データ分析における「仮説の立て方と検証」について理解する
※データ連携基盤に関する解説記事も併せてお読みください
データ連携基盤とは?必要性や成功する構築ステップを解説
データ収集・蓄積
基盤が整ったら、分析に必要なデータを実際に集めていきます。基幹システム、SFA/CRM、ログデータなど、異なる形式で存在するデータを、ETLツールなどを用いて統合し、クレンジング(データの不備の修正)を行うことで、分析に使える「生きたデータ」として蓄積します。
データの可視化・分析
蓄積されたデータを、BIツールなどを活用してグラフやダッシュボードの形に可視化します。ここで重要なのは、事前に立てた仮説に対してどのような結果が出ているかを検証することです。傾向や異常値を視覚的に捉えることで、現場の人間が直感的に状況を理解できるようになります。
アクションプランの策定
最後のステップは、分析から得られたインサイト(洞察)を具体的な行動に移すことです。データから見えた課題に対し、「どの施策を優先すべきか」「予算をどこに投下すべきか」といった意思決定を行い、業務プロセスや経営判断に反映させます。分析結果を組織全体で共有し、実行と改善を繰り返す(PDCAを回す)ことで、はじめてデータ活用は企業の持続的な成果へと繋がります。
データ活用を成功させるための3つのポイント
データ活用を成功させるには、以下3つのポイントがあります。
- 活用可能なデータソースの選定
- データ分析のリソースの確保
- データ活用環境の整備
活用可能なデータソースの選定
まずは、企業で活用していきたいデータソースの選定をします。
データソースの選定にあたり、データ連携の重要性についても知っておかなければなりません。データ連携は、システム間におけるデータの受け渡しを実施するのに加えて、特定のデータベースへ各種データを集約する役割も持ちます。データ連携は分析に必要なデータを集約していくため、最終的なデータ活用時においても重要性が高いです。
そのため、データ連携先となるデータソースの算出時には、経営上の課題を解消するために必要となるデータを算出するのが良いでしょう。
データ分析のリソースの確保
続いて、データ分析で必要となるリソースを確保します。データ分析は機械学習を取り入れて実施していくため、機械学習を実現できる専門的な人材が必要です。具体的には、データ分析のアルゴリズムを構築し、その後収集されたデータを学習していきます。その中で、経営上の課題を解決するための特徴やパターンを導いていくのです。
もし、企業内に専門的な人材が不在の場合には、外部リソースやツールの活用も検討すると良いでしょう。
データ活用環境の整備
最後は、分析した結果を活用できる環境整備が重要です。データ活用の環境は「人」と「インフラ」の二つが揃ってはじめて成り立ちます。
データドリブンな組織の形成
データドリブンとは、データに基づいて経営上の判断を下していく考え方です。データドリブンな組織の形成は、データ活用環境の整備において人の役割を持つ部分です。
例えば、今後のマーケティングにおける判断をするとしましょう。データドリブンな組織では、今までの売上状況や顧客の購買活動などから特徴を見つけ出し、その結果を元にアプローチを検討していくのです。これまでの経験や勘ではなく、データを元に判断できる組織を形成しておくことが重要になります。
データ活用基盤の構築
データ活用基盤とは、データの収集から分析するまでのデータフローの流れを構築することです。データ活用基盤で重要になるのは、ETLツールの導入でしょう。
ETLツールは、必要となるデータソースへのアクセス、データの加工、DWHへの格納といった一連の流れを容易に実現できます。データを一元管理した後の分析にはBIツールなどを使用するのがおすすめです。BIツールは、データの可視化を実現できるため、ユーザー自身がデータ分析をしながら今後の施策検討をしていけます。
データ活用の企業事例
実際の成功事例を知ることは、自社の課題を整理し、導入後のビジョンを明確にするための最短ルートとなります。ここでは、データ連携ツール『Reckoner(レコナー)』を活用して、データのサイロ化や手作業の負荷といった課題を克服し、ビジネスを加速させている企業の取り組みを紹介します。
トヨクモ株式会社様の事例
kintoneの複数アプリを統合し、横断分析ダッシュボードを実現。集計の属人化とミスを排除し、データ活用の土台を整備
導入の目的
約40個のkintoneアプリに分散したデータを自動で統合・整形し、社内の誰もが同じ鮮度のデータに基づいて迅速に横断分析・モニタリングができる環境を構築すること。
導入前の課題
- 顧客データが製品や情報ごとに約40個のkintoneアプリに分散しており、全体を俯瞰した横断分析が困難だった。
- 分析のたびに担当者が手動でCSVを書き出し、Googleスプレッドシートで結合・加工しており、多大な工数負荷がかかっていた。
- 処理手順が特定メンバーに依存する「属人化」が起きており、手作業による抜け漏れや転記ミスのリスクを常に抱えていた。
連携ワークフロー
- 約40個のkintoneアプリから、Reckonerがデータを自動で抽出・整形。
- 集約したデータをGoogle Driveやkintone、スプレッドシートへ自動転送するパイプラインを構築。
- 毎日自動でデータが更新・蓄積される仕組みをノーコードで実現。
連携の効果
- データの集計・加工プロセスが自動化され、月約20時間の定型作業工数を削減した。
- 手作業によるミスや漏れが完全に解消され、信頼性の高いデータに基づく正確なレポーティングが可能になった。
- 各チームが「同じ前処理済みのデータ」を起点に分析できる環境が整い、組織全体でのデータドリブンな意思決定が加速した。
※インタビュー全文は以下からご覧いただけます。
参考記事:トヨクモ株式会社様導入事例インタビュー
auコマース&ライフ株式会社様の事例
業務工数40%削減&管理コスト年100万円をカット。非エンジニア部門でのデータ活用を実現し、データドリブン営業を加速
導入の目的
複数のシステムに分散したデータを自動で抽出し、Salesforceへ統合。専門知識がなくても必要なデータをいつでも扱える環境を整え、データに基づいた戦略的な営業活動(データドリブン営業)を推進すること。
導入前の課題
- サービスごとにデータベースが構築されており、データが複数のシステムに分散。データ構造も統一されておらず、収集・加工に多大な時間と労力がかかっていた。
- データ抽出にSQLやAPIバッチ処理が必要で、コーディング知識がある一部のメンバーに業務が集中し、属人化が深刻な課題となっていた。
- 物理サーバの維持やシステムの運用保守に年間100万円程度のコストがかかっており、リソースの有効活用を阻んでいた。
連携ワークフロー
- BigQueryやAmazon S3に集約された社内データを、Reckonerが自動で抽出・加工。
- 加工したデータをSalesforceへ自動連携するパイプラインを構築。
- 顧客アンケート結果などのスプレッドシートデータも、Reckoner経由でSalesforceへ自動反映。
連携の効果
- 出店準備案内業務の工数を40%削減(月間34時間の短縮)し、より顧客に寄り添ったサービス提供が可能になった。
- サーバ保守費や開発費、エラー対応の人件費を削減し、年間約100万円のコスト圧縮を実現した。
- 非エンジニアである営業部門が自らデータ連携・加工を行えるようになり、属人化が解消。データに基づいた迅速な施策立案体制が確立された。
※インタビュー全文は以下からご覧いただけます。
参考記事:auコマース&ライフ株式会社様導入事例インタビュー
データ活用で経営戦略をより効果的にするなら「Reckoner」
今回は、経営の課題を解決するためのデータ活用について解説しました。
データ活用は、今までの経験や勘を頼りにしていた経営判断からデータに基づく判断ができるようになるため、経営全体の質が向上し今後の施策もより効果的なものを打ち出していけます。こうしたデータ活用をするためには、活用するための組織作りや基盤作りが必要です。
しかし、データ活用をするための基盤作りをどのように進めていくべきかわからない企業様も多いでしょう。
弊社3shakeは、データ統合基盤の戦略策定から運用までを総合的に支援しています。インフラやセキュリティに強い設計も提供できるため、安定稼働も実現できます。これからデータ基盤の構築を考えている企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?成功事例や選び方のポイント、メリットについて解説!」をぜひご覧ください。







