コンポーザブルERPとは?特徴やメリット、導入方法を解説

市場環境の変化や技術革新が加速する現代において、ビジネスの在り方はかつてないスピードで変容しています。これに伴い、企業の根幹を支える業務システムには、変化へ即座に対応できる「柔軟性」と「スピード」が不可欠となりました。

しかし、多くの企業が長年利用してきた「従来型の統合パッケージ型ERP」は、全機能が密接に結びついた巨大な塊(モノリス)であるため、一部の変更や新機能の追加にも膨大なコストと時間がかかるという課題があります。「現場のニーズにシステムが追いつかない」「DXを推進したいが基幹システムが足かせになっている」と頭を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今、次世代のシステム形態として大きな注目を集めているのが「コンポーザブルERP」です。

本記事では、コンポーザブルERPの基礎概念から、従来型ERPとの決定的な違い、導入によって得られるメリット、さらには失敗しないための具体的な導入ステップや注意点までを詳しく解説します。

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目次

1.コンポーザブルERPとは

不確実性が高く、将来の予測が困難な現代において、企業の競争力を左右するのは「変化への適応スピード」です。

これまで多くの日本企業を支えてきたのは、会計・人事・販売などのあらゆる業務を一つのシステムに詰め込んだ「統合パッケージ型ERP」でした。しかし、ビジネスモデルの転換や急激な市場変化が日常茶飯事となった今、大規模で柔軟性に欠ける従来型のシステムでは、迅速な意思決定や現場のニーズに応えることが難しくなっています。

こうした背景から、米ガートナー社が提唱し、DX推進の鍵として急速に注目を集めているのが「コンポーザブルERP」です。

本章では、コンポーザブルERPの概念を正しく理解するために、以下の3つのステップで詳しく解説していきます。

1.ERPとは

2.コンポーザブルERPとは

3.従来型ERPとコンポーザブルERPの違い

1-1.ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業の「人・物・金・情報」といった経営資源を一元管理し、有効活用するための「企業資源計画」を指します。

一般的には「基幹系業務システム」と呼ばれ、会計・販売・購買・在庫・人事といった、企業経営に欠かせない主要な業務プロセスを一つのデータベースで統合・管理する仕組みを指します。部門ごとの情報の分断(サイロ化)を防ぎ、リアルタイムで経営状況を把握できることが最大の特徴です。

しかし、長らく主流であった「統合パッケージ型ERP」には、現代のビジネス環境において以下のような課題が顕在化しています。

  • 柔軟性の不足
    すべての機能が密接に結合しているため、一箇所の変更がシステム全体に影響し、一部の機能だけを入れ替えることが困難。
  • 導入期間の長期化
    全業務を一つのシステムに合わせる必要があるため、要件定義から稼働までに数年を要することも珍しくない。
  • コストの肥大化
    使わない機能も含めたパッケージ全体のライセンス料や、複雑なカスタマイズによるメンテナンス費が重荷になる。

こうした「重厚長大」なシステムの限界を打破し、必要な機能を必要な分だけ組み合わせて最適化しようという考え方が、次にご説明する「コンポーザブルERP」です。

1-2.コンポーザブルERPとは

コンポーザブルERPとは、単一の巨大なパッケージですべてを賄うのではなく、業務ごとに最適なアプリケーションをパズルのピースのように組み合わせ、APIで連携させて構築するERP環境のことです。

従来のような「システムに合わせて業務を変える」あるいは「巨大なシステムを無理にカスタマイズする」というアプローチから脱却し、ビジネスの状況に応じてシステム側を柔軟に組み替えていくことが可能になります。

コンポーザブルERPがもたらす具体的な価値

  1. スピーディな業務改善と進化
    新しい事業の立ち上げや法改正への対応が必要な際、システム全体を改修することなく、該当する機能(コンポーネント)だけを最新のものに入れ替えたり、追加したりできます。
  2. 保守・運用負荷の軽減
    一部の機能変更がシステム全体に波及して予期せぬエラーを引き起こすリスクが低いため、テスト工程を簡略化でき、メンテナンスの心理的・時間的ハードルが下がります。
  3. 「Best of Breed」の実現
    「会計はA社、人事はB社、在庫管理はC社」といったように、各業務領域で世界最高水準のツールを自由に選択して統合できるため、業務効率を最大化できます。

1-3.従来型ERPとコンポーザブルERPの違い

従来型ERPとコンポーザブルERPの決定的な違いは、その「構造(アーキテクチャ)」にあります。この構造の違いが、ビジネスの変化に対する適応力に大きな差を生みます。

1. 従来型ERP:すべての機能が一体化した「統合パッケージ」

従来型ERPは、会計・販売・在庫・人事といったすべての機能が、最初から一つにパッケージングされています。

課題
各機能が密接に紐付いているため、一部の機能を修正したり、新しいツールを追加したりするだけでも、システム全体の設計に影響が及びます。 その結果、軽微な変更であっても大規模な影響調査や改修が必要になり、多大なコストと時間がかかる傾向にあります。

2. コンポーザブルERP:独立した「モジュール」の集合体

コンポーザブルERPは、各業務機能が独立した「モジュール(部品)」として構成されています。それぞれの部品はAPI(システム同士をつなぐ窓口)を介して連携しているため、互いに依存しすぎない状態にあります。

メリット
各パーツが独立しているため、「必要な部分だけ」を最新のクラウドサービスに差し替えたり、新機能を後から追加したりすることが容易です。 他の機能への影響を最小限に抑えつつ、ビジネスの変化に合わせてシステムを柔軟に組み替えることができます。

比較項目従来型ERP(モノリス型)コンポーザブルERP
基本構造すべての機能が一体化した巨大な塊独立した機能の組み合わせ
拡張性・柔軟性低い(全体改修が必要になることが多い)非常に高い(必要な機能だけを追加・削除可能)
導入・変更スピード年単位の長期プロジェクトになりやすい必要な部分から段階的に導入・改善が可能
最新技術の採用ベンダーのアップデートを待つ必要がある常に各分野で最高の最新ツールを選択できる
データ連携内部で完結(外部連携は複雑になりがち)API連携が前提(iPaaS等で柔軟に統合)

3.なぜ今、構造の転換が求められているのか

現代のビジネスでは、法改正、サプライチェーンの混乱、消費行動の激変など、予測不能な事態が次々と起こります。

従来型ERPのような「一度作ったら長く使い続ける」前提のシステムでは、こうした変化に追いつけず、ITシステムがビジネスの足を引っ張る「DXの壁」となってしまいます。「変化を前提とした柔軟な構造」を持つコンポーザブルERPが今、多くの企業にとって不可欠な戦略的選択肢となっているのはこのためです。

2.コンポーザブルERPのメリット

コンポーザブルERPを導入する最大の意義は、「システムの制約によってビジネスの歩みを止めない」ことにあります。

従来型のシステムでは、一つの変更が全体に波及するため、石橋を叩いて渡るような慎重な対応が求められました。しかし、コンポーザブルERPでは各機能が独立しているため、リスクを最小限に抑えながら、必要な箇所からスピーディに改善を回していくことが可能です。

本章では、コンポーザブルERPが企業にもたらす具体的なメリットを、以下の4つの視点で詳しく解説します。

  • 柔軟に組み替えられるモジュール構造
  • 機能追加や外部サービス連携がしやすい拡張性
  • 部分的に改善でき、保守がしやすい仕組み
  • 運用コスト削減とセキュリティ強化を両立

2-1.柔軟に組み替えられるモジュール構造

コンポーザブルERPの最大の特徴は、業務に必要な機能だけを自由に選び、パズルのように組み合わせられる点にあります。

1.必要な機能だけを「ピンポイント」で最適化

従来型ERPでは、たとえ特定の機能(例:在庫管理)だけを最新鋭にしたいと思っても、システム全体が一体となっているため、他の機能への影響を考慮して大掛かりな改修を余儀なくされるのが常でした。

しかし、コンポーザブルERPであれば、「今、この業務に必要な機能だけ」を追加・入れ替えすることが可能です。これにより、業務プロセスの変更や市場の変化に対し、従来とは比較にならないスピードで対応できるようになります。

2.大規模改修はもう不要:スモールスタートと進化

新しい事業を立ち上げたり、特有の業務プロセスが必要になったりした場合でも、コンポーザブルERPなら該当するモジュールだけを差し替える、あるいは新しくつなぎ込むだけで完了します。

  • 従来型
    機能追加のために、影響範囲の調査とテストに数ヶ月を費やす
  • コンポーザブル型
    必要なモジュールを選択し、APIで連携させるだけで迅速に拡張

システム全体を作り直す必要がないため、変化の激しいビジネス現場において、ITが足かせになることを防ぎます。

3.成長に合わせて形を変え続ける

企業の規模が拡大したり、組織構造が大きく変わったりしても、ERPをゼロからリプレイスする必要はありません。コンポーザブルERPは、その時々の状況に合わせてシステム構成を常に最適化し続けられるという点で、従来型ERPとは根本的に異なります。

「一度作ったら終わり」の硬直したシステムではなく、企業の成長と共に進化し続ける「動的な基盤」を持てることこそが、コンポーザブルERPを選ぶ最大の戦略的意義と言えるでしょう。

2-2.機能追加や外部サービス連携がしやすい拡張性

コンポーザブルERPの真価は、その「開かれた構造」にあります。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)やマイクロサービスを基盤とした疎結合(各機能が独立してつながっている状態)なアーキテクチャにより、外部のクラウドサービスや業務アプリケーションとの連携が驚くほどスムーズになります。

1.外部サービスを味方につける「Best of Breed」の実現

自社ですべての機能を開発・カスタマイズする必要はありません。例えば、「経費精算はA社のクラウドサービス、顧客管理(CRM)はB社のツール、MA(マーケティングオートメーション)はC社の最新AI」といったように、各分野で最も優れたサービス(Best of Breed)を選び、パズルのように組み合わせることで、自社にとっての全体最適を図ることができます。

2.部門の壁を越えたデータ活用とDXの加速

他社システムや既存ツールとの統合が容易なため、部門ごとに分断されていたデータがスムーズに循環し始めます。

  • 現場の利便性向上
    現場が使い慣れたツールをERPの一部として統合できる
  • データの一気通貫
    営業・製造・会計のデータをリアルタイムに紐付け、意思決定を高速化
  • 業務の自動化
    複数のツールをまたぐワークフローも、API連携によりデジタル化が容易

このように、システム同士が「対話」しやすい構造であることは、企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する強力なエンジンとなります。

3.「古くならない」システム基盤への転換

技術の進化は非常に早く、数年前に導入した機能がすぐに旧式化することも珍しくありません。しかし、拡張性に優れたコンポーザブルERPなら、新しい技術やサービスが登場した際に、それらを「アドオン(追加)」として即座に取り入れることができます。

将来のアップグレードや他システムとの連携を前提とした構造であるため、基幹システムが「レガシー化」してビジネスの足を引っ張るリスクを最小限に抑え、常に最新のテクノロジーを享受できる環境を維持できるのです。

2-3.部分的に改善でき、保守がしやすい仕組み

従来型ERPの運用において、最も頭を悩ませるのが「バージョンアップや改修に伴う膨大な工数」ではないでしょうか。コンポーザブルERPは、各機能が独立したモジュールとして構築されているため、この保守・運用の在り方を劇的に変えます。

1.「全機能停止」を伴わない個別アップデート

最大の特徴は、システム全体を止めることなく、特定のモジュールだけを個別に改修・アップデートできる点にあります。

  • 従来型ERP
    一部の機能を修正するだけでも、システム全体の整合性を確認するための大規模な「回帰テスト(リグレッションテスト)」が必要でした。また、本番反映のたびに全システムを長時間停止させる必要があり、業務への影響が避けられませんでした。
  • コンポーザブルERP
    「経理モジュールだけを税制改正に対応させる」「物流モジュールだけを最新版に更新する」といった、ピンポイントの作業が可能です。他機能への影響範囲が限定的なため、テスト工程を大幅に圧縮できます。

2.障害時のリスク分散と迅速な復旧

万が一システムに不具合が発生した際も、コンポーザブルERPの構造が強みを発揮します。 各機能が独立しているため、「どこで問題が起きているか」という原因の切り分け(アイソレーション)が極めて容易です。問題のあるモジュールだけを一時的に切り離したり、以前のバージョンに戻したりといった柔軟な対応ができるため、システム全体がダウンする致命的なリスクを回避し、業務継続性(BCP)を大幅に向上させます。

3.長期的な保守コスト(TCO)の削減

「必要な部分だけを、必要な時に改善する」というサイクルが定着すれば、数年おきに発生していた「ERPの全面刷新(リプレイス)」という巨額の投資も不要になります。

運用担当者のメリット
膨大な影響調査や深夜の全停止作業から解放され、より戦略的なIT活用や新技術の検討に時間を割けるようになります。このように、無理のない継続的なメンテナンスを可能にする仕組みが、結果として長期的な保守コストの削減と、変化に強いしなやかなIT基盤を実現します。

2-4.運用コスト削減とセキュリティ強化を両立

コンポーザブルERPの多くは、クラウドネイティブ(クラウドでの利用を前提とした設計)なサービスとして提供されています。これにより、従来のオンプレミス型ERPでは避けられなかった多額のインフラ維持費や運用リスクを、大幅に抑えることが可能になります。

1.スモールスタートによる「投資の最適化」

従来型ERPは、全機能を一括導入する「ビッグバン方式」が主流であり、多額の初期投資と膨大な未使用機能(遊休資産)が発生しがちでした。 対してコンポーザブルERPは、「必要な業務範囲から最小限(スモールスタート)で導入」し、ビジネスの成長に合わせて段階的に拡張できます。

  • 初期費用の抑制
    必要なモジュールのみを契約するため、スモールスタートが可能。
  • 無駄なランニングコストの排除
    利用規模に応じた従量課金モデルが多く、使っていない機能にライセンス料を支払う無駄がなくなります。

2.サーバー保守からの解放

クラウド基盤を利用するため、自社で物理サーバーを保有・管理する必要がありません。ハードウェアの老朽化に伴う入れ替え作業(リプレイス)や、データセンターの維持管理コスト、バックアップ対応にかかる人的リソースを丸ごと削減し、IT部門はより戦略的な業務に集中できるようになります。

3.「自動化」されるセキュリティ対応

セキュリティ面でも、コンポーザブルERPは大きなアドバンテージを持っています。

  • 迅速な脆弱性対応
    クラウドベンダー側でセキュリティパッチの適用やOSの脆弱性対応が自動で行われるため、企業側は常に最新かつ安全な環境を利用できます。
  • 最新のセキュリティ規格
    各モジュールを提供するベンダーは、最新の国際的なセキュリティ認証(ISOやSOCなど)に準拠していることが多く、自社でゼロから強固な壁を築くよりも、はるかに高い安全性と信頼性を確保できます。

結論:コストとセキュリティは「トレードオフ」ではない

従来型ERPでは、セキュリティを強化しようとすればカスタマイズや追加投資が必要になり、コストが膨らむのが常識でした。しかしコンポーザブルERPは、「最新のクラウド技術を組み合わせる」ことで、コストの最適化と高度なセキュリティレベルの維持を同時に実現します。

この「低リスク・低コスト・高セキュア」な構造こそが、経営層とIT現場の双方にとっての大きなメリットとなります。

3.コンポーザブルERPの実現で気を付けるポイント

コンポーザブルERPは、ビジネスに圧倒的な柔軟性とスピードをもたらす「理想的な仕組み」に見えます。しかし、複数の独立したモジュールを組み合わせて一つの大きなシステムとして機能させるという特性上、従来型の「お任せパッケージ導入」とは全く異なる難しさがあるのも事実です。

事前の準備や設計を疎かにすると、かえって運用が複雑化したり、データがバラバラになってしまったりするリスクがあります。プロジェクトを成功させ、コンポーザブルERPの真価を最大限に引き出すためには、以下の4つのポイントを意識することが不可欠です。

  • 業務フローの“整理・標準化”をしてから着手
  • データ管理ルールの整備が必須
  • モジュール構成をシンプルに保つ設計が重要
  • IT部門と業務部門の連携が不可欠

各ポイントがなぜ重要なのか、具体的にどのような対策を講じるべきかについては、次の章から詳しく解説していきます。

3-1.業務フローの“整理・標準化”をしてから着手

コンポーザブルERPは、パズルのように機能を組み合わせられる自由度の高さが魅力ですが、その自由度ゆえに「事前の業務整理」が成否を分ける極めて重要なステップとなります。

1.「標準化」と「個別最適」の判断

バックオフィス業務は「業界標準(Fit to Standard)」に合わせ、独自の強みとなる業務のみツール選定やカスタマイズを行うことで、構成の複雑化を防ぎます

2.投資の最適化

業務を整理し必要な機能を厳選することで、初期投資を抑えたスモールスタートが可能になります 。

3-2.データ管理ルールの整備が必須

コンポーザブルERPは、複数の独立したモジュールや外部サービスを組み合わせて構築するため、従来の一体型システム以上に「データの一貫性」を保つための厳格なルール作りが重要になります。

1.意思決定の精度確保

表記揺れなどのデータ不備は集計ミスや判断の遅れを招きます

2.「共通言語」の設定

初期段階でマスタデータの統一、データ項目の定義、更新ルールを策定し、全体最適の取れた基盤を構築します 。

3-3.モジュール構成をシンプルに保つ設計が重要

コンポーザブルERPの最大の魅力は、必要な機能を自在に追加できる「自由度」にあります。しかし、その自由度ゆえに陥りやすい罠が、機能(モジュール)の増やしすぎによる「システムの複雑化」です。

1.運用の落とし穴を回避

無計画な連携はIT部門の管理工数を増大させ、不具合時の影響範囲特定を困難にします

2.「引き算」と疎結合

コア機能を厳選し、モジュール同士を干渉しすぎない「疎結合」で設計することで、将来の差し替えやすさと低い保守コストを維持します 。

3-4.IT部門と業務部門の連携が不可欠

コンポーザブルERPは「作って終わり」のシステムではなく、ビジネスの変化に合わせて「組み替え続ける」システムです。そのため、導入から運用に至るまで、IT部門と業務部門(現場)が手を取り合う「二人三脚」の体制が、プロジェクト成功の絶対条件となります。

1.専門知識の融合

IT部門が「全体設計(API・セキュリティ)」、業務部門が「要件定義」を担う二人三脚の体制が、シャドーIT化を防ぎ最適解を生みます

2.「共創」による継続改善

定例的な情報共有や柔軟な要件調整フローを整え、導入後も現場のニーズに合わせた迅速な検証と改善を繰り返します

4.コンポーザブルERPの実現ステップ

コンポーザブルERPの実現は、一度にすべてを置き換える「ビッグバン方式」ではなく、必要な部分から段階的に構築・進化させていく「継続的なプロジェクト」としての側面が強いのが特徴です。

システムがビジネスの足かせにならないよう、正しい順序でステップを踏むことが、投資対効果を最大化する鍵となります。ここでは、構築から運用までの具体的な5つのステップを解説します。

コンポーザブルERP実現のステップ

STEP1.目的の明確化

自由度が高いコンポーザブルERPにおいて、導入目的(=解決したい課題)を明確にすることは、設計が迷走しないための「指針」となります 。

選定・優先順位の基準策定

「在庫の可視化」や「業務自動化」など、目的に応じて優先すべきモジュールや、コストをかけるべき領域を判断します

関係者との共通認識

  • 経営層・IT部門・現場の間で認識を揃えることで、仕様変更や意見の食い違いによるプロジェクトの遅延を防ぎます。単なるシステム交換ではなく、業務そのものを変える「変革」としての目的を共有することが不可欠です。

STEP2.プラットフォームの選定

目的が固まったら、次はいよいよ「どの部品(モジュール)」を組み合わせるかを選ぶフェーズです。コンポーザブルERPでは、自社のニーズに最も合致する最適なピース(PBC:Packaged Business Capabilities)を厳選することが、プロジェクトの成否を分ける大きな分かれ道となります。

多角的な信頼性検証

機能性だけでなく、データ処理のパフォーマンス、セキュリティ基準、サポート体制を厳密にチェックします。

開発体制の確保

ローコードで構築可能ですが 、複雑な要件やデータ変換には専門知識が必要です。エンジニアを即座に確保できる体制を整えておくことが推奨されます。

APIの「つなぎやすさ」

将来の拡張性を担保するため、APIの公開状況や連携実績を最優先の選定基準に据えます。

STEP3.プラットフォームの設計

プラットフォームの設計は、コンポーザブルERPの「柔軟性」という最大の長所を引き出すための、いわばシステムの骨組みを作る最重要工程です。単に「今動く」ものを作るのではなく、将来の変更を前提とした「遊び(余裕)」を持たせた設計が求められます。

データ構造と管理ルールの策定

各モジュールでデータの定義を揃え、どのシステムが「正解(信頼できる唯一の情報源)」を持つのかという権限を明確にします。

疎結合な連携設計

システム同士を密接に繋ぎすぎず、APIを介した「疎結合」な状態を維持することで、将来的な部品の差し替えを容易にします。

複雑化の防止

連携経路をシンプルに保ち、iPaaS(データ連携基盤)を活用した「ハブ&スポーク型」の構成をとることで、運用のブラックボックス化を防ぎます。

STEP4.システムの実装

設計図が完成したら、いよいよ実装のフェーズに入ります。コンポーザブルERPにおける「導入」は、従来のシステム開発のようにゼロからプログラムを書き上げる作業とは、その性質が大きく異なります。

設定主体の構築

ゼロから開発するのではなく、各ソリューションの設定を行うことで機能を実装するため、従来の開発よりコーディング量を劇的に削減できます

インターフェースの個別開発

外部システムや既存システムとのデータ受け渡しが必要な箇所に絞って、API接続などの連携開発を行います 。

ポイント
全ての機能を一気に稼働させるのではなく、まずは「会計連携のみ」「在庫管理のみ」といった具合に、スモールステップで進めるのがコンポーザブル流です。これにより、不測の事態にも柔軟に対応しながら、着実にシステムを立ち上げることができます。

STEP5.運用保守

コンポーザブルERPは「一度導入すれば完了」という従来のシステムとは異なり、ビジネスの変化に合わせて常に形を変え、最適化し続ける「生きているシステム」です。そのため、設計後の運用保守フェーズこそが、その真価を発揮するステージとなります。

効果検証と柔軟な見直し

定期的な効果測定を行い、期待通りの成果が得られない場合は構成や設定を即座に見直します 。

部品の差し替えと拡張

事業の変化や新技術の登場に合わせ、特定のモジュールだけを容易に入れ替え、常に最新の基盤を維持します

管理・メンテナンス業務

APIの接続監視やデータガバナンスの維持、各ベンダーのアップデート対応を継続的に実施します

5.コンポーザブルERP実現に欠かせないデータ連携基盤

コンポーザブルERPは、業務に合わせて「必要な機能を組み替える」ことで、ビジネスに圧倒的な機動力をもたらします。しかし、自由度が高まる一方で、各システムにデータが分散し、情報の断片化(サイロ化)が起きやすいという側面もあります。

どれほど優れたツールを組み合わせても、それらが「対話」し、データがシームレスに循環しなければ、迅速な意思決定は不可能です。複数のSaaSや既存システム、外部サービスからのデータを統合・同期し、一貫性を保つための「データ連携基盤(iPaaS)」の活用こそが、プロジェクト成功の決定打となります。

データの「接着剤」として機能する「Reckoner(レコナー)」

コンポーザブルERPの柔軟性を損なうことなく、複雑なデータ連携をシンプルに解決するのが、クラウド型データ連携プラットフォーム「Reckoner(レコナー)」です。

Reckonerは、プログラミングの知識がなくてもマウス操作だけでデータ連携・統合を実現できる「ノーコード」なプラットフォームです。

  • 迅速な連携構築
    膨大なコードを書く必要がないため、新しいモジュールの追加や入れ替えにも即座に対応できます。
  • データの一元管理
    分散したデータを集約・加工し、経営に必要な「活用できる形」へ自動で整えます。
  • 保守負荷の軽減
    直感的な操作画面により、IT部門だけでなく現場担当者レベルでの管理も可能にし、運用の属人化を防ぎます。

Reckonerを連携のハブ(中心)に据えることで、コンポーザブルERPは「ただの部品の集まり」から、「変化に即応し、未来を予測できる経営基盤」へと進化します。

コンポーザブルERPの導入・データ連携に関するご相談

「自社に最適なコンポーザブルERPの構成は?」「バラバラのデータをどう統合すればいい?」など、導入に向けた具体的なお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

豊富な導入支援の実績をもとに、貴社のビジネスを加速させる最適なデータ連携ソリューションをご提案いたします。

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