【介護DX】4つのシステムに分散した利用者情報を統合!多重登録・記録漏れを防いだデータ基盤構築事例

株式会社ACG(あおぞらケアグループ)
株式会社ACG(あおぞらケアグループ)は訪問介護・訪問看護をはじめ、障がい者グループホームやサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者および障がい者支援事業を幅広く展開しています。
介護福祉業界が直面する人材不足や業務効率化といった課題に対し、DXを積極的に推進することで解決を目指しています。
今回は、代表取締役の大牟禮 康佑さんと、外部コンサルタントとしてDX推進を支援する佐野 尚人さんに、Reckoner(レコナー)導入の背景と成果について詳しくお話を伺いました。
Reckoner導入前の課題
- 訪問看護・訪問介護・付帯サービス記録・施設スケジュール管理といった4つの主要システムに利用者情報が分散していた
- 同一の利用者情報を、各システムごとに個別登録する必要があり、結果として同じ情報を何度も入力する状態になっていた
- 事務スタッフが手作業で各システムへの登録を行っていたため、全角/半角の違いや、ひらがな/カタカナの表記揺れが頻発していた
- マスター登録漏れにより、現場スタッフが記録システム上で利用者名を見つけられず、記録入力が後回し・未入力になるケースが発生していた
- 記録漏れが発覚すると、原因究明や修正に1〜2日かかるなど、業務上の大きな負担となっていた
導入の決め手
- GUI(画面操作)ベースで直感的に操作でき、SQL入力が前提のツールと比べて扱いやすかった点
- Salesforceをはじめとする各種システムと、ソース(データの抽出元)とシンク(データの書き込み先)の両方に対応する双方向連携が可能だった点
Reckoner導入による効果
- AppSheetで入力された情報をMySQLに統合し、4つの主要システムへ自動連携する仕組みを構築
- 各システムごとに個別登録していた利用者情報を一元管理できるようになり、同じ情報を何度も登録する必要がなくなった
- マスター登録漏れによる記録ミスが解消され、「データが存在しない」という業務上のリスクがなくなった
- 記録漏れが発覚した際に、原因究明や修正に1〜2日かけて対応していた作業そのものが不要となり、事後対応に追われることがなくなった
- 月約10時間かかっていたマスターメンテ作業の工数を削減し、各事業所の事務スタッフの業務効率が向上した
分散したデータと手動管理が、現場のミスを誘発していた
――Reckoner導入前はどのような課題がありましたか?
最大の課題は、利用者様の情報が複数のシステムに分散し、管理が追いつかなくなっていたことです。訪問介護、訪問看護、付帯サービス記録、施設スケジュール管理と、主に4つのシステムを利用していましたが、システム間で利用者IDがバラバラで、利用者様一人ひとりがどのサービスを利用しているかを正しく紐付けて管理するのが難しい状況でした。
導入前は、各事業所の事務スタッフが同一の利用者情報を、それぞれのシステムに個別に登録しており、結果として同じ情報を何度も入力する状態になっていました。
また、全角・半角の違いや、ひらがな・カタカナの違い、苗字の表記揺れなどが頻発し、名寄せ作業に多くの手間がかかっていました。
さらに深刻だったのが、マスター登録漏れによる影響です。
現場スタッフは訪問後に記録を入力しますが、システム上に利用者名が表示されないと、「名前がないから」と入力が後回しになり、結果として記録漏れが発生していました。
記録漏れが発覚すると、そこから1〜2日かけて過去の記録を掘り起こすという、非常に非効率な事態が起きていました。

――Reckonerを知ったきっかけを教えてください。
Salesforce導入を検討していたのがきっかけです。
既存のKintoneや他システムと、どのように外部連携するかが課題でした。
調べる中でETLツールの存在を知り検索したところ、あるETLツールのランキングサイトでReckonerが1位になっているのを見つけました。
直感的な操作性と双方向連携がReckonerを選んだ決め手
――Reckonerを実際に触ってみての感想を教えてください。
他社ツールはSQL前提(データを取得・加工するために、専門的なクエリ言語を書く必要がある)という印象が強かったのですが、Reckonerは完全にGUIベース(画面操作だけで設定できる)で、設定が非常に簡単でした。
「これなら、限られた人だけでなく、触れる人が増えそうだな」と感じました。
また、触っているうちにSQLも直接書けることが分かり、より高度な処理にも対応できる点も良かったですね。
導入当時は、プレビュー実行に時間がかかる場面がありストレスを感じましたが、現在は処理速度が向上し、日常の運用でもストレスを感じることはありません。
――Reckonerを選んだ決め手は何でしたか?
決め手は「使いやすさ」と「双方向連携」です。
先ほども触れましたが、ReckonerはGUIベースなので、画面で確認しながらブロックを組み立てるように設定できるため、直感的に操作できました。
もう一つの大きなポイントが、Salesforceとの双方向連携です。
Reckonerは、ソース(データの抽出元)としても、シンク(データの書き込み先)としてもSalesforceに対応しており、データの取得と登録の両方が可能でした。
結果として、要件を満たせるツールはReckonerしかなく、実質的に一択という判断になりました。
「あおぞらデータハブ」を構築し、正しいデータを全システムへ自動連携
――具体的にどのようなワークフローを運用していますか?
全サービスの利用者情報を一元管理する「あおぞらデータハブ(ADH)」というデータベース(MySQL)を中心に据えた構成にしました。
まず、AppSheetで作成した入力フォームから利用者情報が Google スプレッドシートに登録されます。
Reckonerはこのスプレッドシートからデータを吸い上げ、15分に1回の頻度でMySQL(ADH)へ統合・蓄積します。
そして、このADHにある「正しいマスターデータ」を、Reckonerが1日3回、訪問看護(MySQL)、訪問介護(MySQL)、付帯サービス記録(Google スプレッドシート)、施設スケジュール管理(PostgreSQL)といった各業務システムへ自動的に連携しています。これにより、どのシステムを見ても最新かつ正確な利用者情報が存在する状態を実現しました。

また、Kintone間の連携にも活用しており、営業のコンタクト記録で「手応えが3以上」だった場合に、1週間後に自動的に再訪問リストに追加するといった処理なども行っています。

――導入後、どのような効果がありましたか?
最も大きな効果は、「マスターにデータがない」という業務上のボトルネックが解消されたことです。
利用者情報を一元管理できるようになったことで、これまで各システムごとに個別登録していた状態がなくなり、利用者全量が確実にシステム上に担保されるようになりました。
その結果、現場スタッフが「名前がないから記録できない」といった理由で入力を止めてしまうケースがなくなりました。
業務面では、マスターのメンテナンスにかかっていた作業時間を、月あたり約10時間削減できています。
それ以上に大きかったのは、記録漏れが発覚した際に1〜2日かけて対応していた作業そのものが不要になったことです。事後対応に追われることがなくなり、業務全体の安定性が大きく向上しました。
事務スタッフにとっても、これまで4つのシステムそれぞれに同じ情報を入力していた手間が1回で済むようになり、作業負荷が大きく軽減されました。
――今後の活用についてどのようにお考えですか?
介護業界はまだFAX文化が残っていたりと、データ連携の障壁が多い業界です。
しかし、一部の介護ソフトはAPIを公開し始めています。
今後はそうした外部ソフトともReckonerを介して連携し、さらなる業務自動化とデータ活用を進めていきたいと考えています。
――お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
※本インタビューは2025年12月に実施




