Copilotで現場の業務はどこまで自動化できる? 生産・契約・申請業務の活用事例3選

ここまでの記事(課題編誤解を解く編Copilot設定実践編)で、Copilotが「使えない」と感じる原因と、データを届けるための考え方・実践手順を解説してきました。この記事では、実際にオンプレ基幹連携を含むデータ連携を行った企業が、どのような業務でCopilotを活用しているのか、3つの具体的な事例を紹介します。

データの集約・連携にかかるエンジニアの開発工数をReckoner(レコナー)で大幅削減!

具体的な活用イメージや貴社のデータ活用課題などお気軽にお問い合わせください。
実際にデータ連携を構築してお試しいただけます!

目次

事例1:生産・在庫実績(オンプレ基幹連携/製造業向け)

「関東工場の今週の良品率は?」にCopilotが即答

対象データ:拠点別の日次生産数/良品率/在庫数(オンプレの生産管理システムより)

Before

生産管理システム(オンプレ)に拠点ごとの担当者がログインし、日次実績をExcelに転記。本社への集計・共有は週次で、良品率の急変にも気づきにくい状態でした。

After

拠点横断の生産実績・在庫状況を、Copilotに聞くだけでその場で確認できるようになりました。

どう実現したか

生産管理システムのDBから、オンプレエージェントが日次で自動取得。拠点コードを拠点名に変換し(例:「東京工場」と「東京第一工場」の名寄せ)、SharePoint「生産実績」ライブラリへ書き込みます。参照範囲をそのライブラリに限定した専用エージェント「生産実績アシスタント」をCopilot Studioで作成しました。

Q:関東工場の今週の良品率は?先月と比べてどう?
A:今週の良品率は98.2%です。先月平均(97.5%)より0.7pt改善しています。

事例2:契約・稟議管理(SaaS)

「更新期限が近い契約」をCopilotが自動で教えてくれる

対象データ:取引先名/契約種別/契約金額/更新日/稟議ステータス・承認者(契約管理システム+ワークフローツールより)

Before

「A社との契約っていつ更新だっけ?」「どの稟議が誰の承認待ち?」を都度、担当者に確認したりシステムにログインして検索していました。更新漏れも年に数件発生していました。

After

契約更新時期や承認状況を、Copilotに聞くだけで即座に確認・要約できるようになりました。

どう実現したか

契約管理・ワークフローツールのデータをSharePoint「契約管理」リストに集約(取引先名・金額・更新日・承認者を列で保持)。専用エージェントに「更新日が近い契約を優先的に案内する」旨を設定しました。応用として、稟議が回ってきたタイミングで過去の類似案件やナレッジを自動でメモとして添える使い方も可能です。

Q:今後30日以内に更新期限が来る契約を教えて
A:3件あります。B社(7/28更新・800万円)、C社(8/1更新・320万円)、D社(8/3更新・150万円)です。

事例3:申請データの承認チェック(SaaS×Copilot Studio・実案件)

承認済み申請データの二重チェックをCopilotが自動化

申請・稟議SaaSから5分に1回、承認済みデータのみを取得し、ETLで加工してPower Automateへ送信、Dataverse(またはSharePoint List)に一次承認済みデータとして蓄積、Copilot StudioがそのDataverseを参照してチェックを行い、結果をTeamsへ通知する、という流れで構築されています。

二重チェックを自動化

PM承認済みの見積・申請データを、Copilotが単価やグレード情報と突き合わせて自動チェック。明らかなエラーを先に弾きます。

人は最終判断に集中

チェック結果はTeamsに通知。差し戻し候補が事前に整理され、人は最終承認だけを行えばよくなります。

入口は差し替え可能

申請・稟議SaaSを別のサービスに変えても、チェックの仕組みはそのまま流用できます。

なお、承認済みデータを再度AIがチェックするという発想自体は、目新しいものではありません。経理や内部統制の世界では、一人の担当者だけに判断を委ねずに複数の目でチェックする「相互牽制」の考え方が古くからあります。この事例は、その「もう一つの目」をCopilotに担わせている、と捉えると理解しやすいかもしれません。

Copilot×データ連携 3つの活用事例
CASE 1 | 生産・在庫実績(製造業)
Q. 関東工場の今週の良品率は?
オンプレの生産管理DBをReckonerが日次取得しSharePointへ。今週98.2%、先月比+0.7ptと即答。
CASE 2 | 契約・稟議管理(SaaS)
Q. 30日以内に更新の契約は?
契約管理・ワークフローのデータをSharePointに集約。更新漏れをゼロに近づける。
CASE 3 | 申請承認チェック
Q. 二重チェックを自動化できる?
バクラク➔Reckoner➔Power Automate➔Dataverse➔Copilot Studioでチェック業務を自動化。

📖まずはホワイトペーパーで詳細を確認する
「『Microsoft Copilot』活用のためのデータ連携入門!社内データをつないで業務AIを実現する方法」をダウンロードいただけます。Copilotにデータを届ける4ステップ・DWH不要のオンプレ連携・業務別活用イメージが1冊に。
ホワイトペーパーを無料ダウンロード

共通する進め方:「まずは1本のパイプラインから」

この3つの事例に共通するのは、いきなり全社的な基盤を構築したわけではないという点です。

  1. 1データを選ぶ(Day 1)
    生産実績・契約・申請データなど、優先度「高」から1つ選ぶだけ
  2. GUIで設定する(〜2週間)
    エンジニア不要。現場の担当者が画面で設定完了
  3. Copilotで即活用・拡張(稼働後)
    動いてから次のデータを追加。小さな成功体験を積みながら拡張できる

「動いてから拡張」── 全体設計を待たずに価値を出すのが、共通する成功パターンです。

最初の1本は何を選べばよいか

複数の業務・データ候補がある場合、優先順位の付け方に迷うことも多いはずです。一般的には、次の2つの軸で候補を洗い出すと選びやすくなります。

  • 影響度
    数字の確認・手作業に日常的に時間を取られている業務か、関係者が多く恩恵が広がりやすい業務か
  • 着手のしやすさ
    データがすでにある程度整理されているか、参照すべき項目や集計ルールが比較的シンプルか

この2軸で見たときに「影響度が高く、着手しやすい」業務から着手するのが定石です。この記事で紹介した3つの事例も、いずれも既存のシステムに蓄積されていた定型データを対象にしており、ゼロから新しいデータを収集する必要がなかった点が共通しています。

また、組織変革に関する多くの議論で共通して語られるのが、「小さな成功体験を早期に示すことが、次の投資や協力を得るための近道になる」という考え方です。いきなり全社導入を目指すのではなく、1つの部署・1つの業務で成果を示し、その実績を根拠に次のデータ・次の部署へ広げていく方が、結果的に組織全体への浸透が早くなるケースは少なくありません。

まとめ:小さな成功体験から始める

生産・在庫、契約・稟議、申請チェックなど、幅広い業務からCopilotの活用は始められます。1本のパイプラインなら最短2週間で稼働し、動いてから拡張すればよいのです。

ここまで4本の記事で、Copilotが「使えない」と感じる原因から、実現に必要な考え方、Copilot側の具体的な設定、そして実際の活用事例までを解説してきました。自社のデータ環境に合わせてどこから着手すべきか整理したい方は、これまでの内容をまとめたホワイトペーパーをご覧ください。

データの集約・連携にかかるエンジニアの開発工数をReckoner(レコナー)で大幅削減!

具体的な活用イメージや貴社のデータ活用課題などお気軽にお問い合わせください。
実際にデータ連携を構築してお試しいただけます!

ブログ一覧へ戻る