プロダクトの質・業務効率を高めたデータ基盤。まさか新サービス創出まで実現するとは思いませんでした。
BRANU株式会社
BRANU株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:名富達哉)は、建設業界に特化したデジタルソリューションを提供し、業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むテックカンパニーです。設立からの10年間で約3,500社に対しデジタルソリューションを提供してきました。2018年10月より、フルマネージドデータ統合プラットフォーム「Reckoner(レコナー)」を導入。現在は、自社プロダクト「eat(イート)」のデータエンジニアリングに活用しています。導入した経緯や活用法について、Webエンジニア 薄葉 慎之亮(うすば・しんのすけ)さんにお話を伺いました。
事業内容
建築業界に向けたデジタルソリューションを多数展開。
X-Techで産業構造変革を目指す
――まずは、BRANUの事業内容についてお聞かせください。
スモールビジネスで成り立つ建築業界の産業構造をX-Tech(クロステック)で変革させるべく、さまざまなデジタルソリューションを展開しています。主な自社開発サービスには、事業者同士をマッチングするシェアリングプラットフォーム「CAREECON」や業務改善SaaSツール「CAREECON for WORK施工管理」のほか、私が担当している「eat」があります。
――「eat」、とても印象的に残るサービス名ですね。
“マーケティングにかかる手間を食べる”、つまり効率化のためのツールであるという意味を込めて「eat」と名付けました。このサービスを一言でいうと「ホームページ制作からWeb集客までの必要なステップをすべてワンストップで行なえる、マーケティングオートメーションツール」。IT化が浸透していない上、慢性的な人手不足にあえぐ建設業界の現状を踏まえ「HTMLやCSSの知識がなくても簡単に操作できるCMS」として開発、2017年8月にリリースしました。
「eat」の主なサービス機能一覧
- 独自ドメイン取得/ホームページ作成・運用
- ブログ立ち上げ/施工事例の投稿
- お問い合わせフォーム作成
- ユーザーの自動評価/ホームページイベント作成
- メンバー管理/サイト解析
- メルマガの発信
課題/導入の経緯
会社の転換期。
DX・データドリブンマーケティングに本格参入したかった
――Reckonerを導入されたのは、「eat」リリースから1年後の2018年10月でした。導入に踏み切った背景をお聞かせいただけますか。
当時は設立10年という大きな節目を翌年に控え、会社として転換を図っていた時期でした。ホームページ制作からスタートし、デジタルソリューションでつくり上げてきた実績を、今後さらに延伸させるにはどうしたらいいか――そこで浮上したのがDX、そしてデータ活用の重要性です。データを集約・加工・整形して「お客様のマーケティング活動に役立つような情報を提供したい」。方向性は定まったものの、当時の私たちは、データエンジニアリングの経験が浅く、理想的なサービスを展開できずにいました。そのタイミングでスリーシェイクからReckonerテスト導入の提案があり、使ってみることにしたんです。
――薄葉さんご自身はそれまで、他のデータ基盤に触れたことはありましたか?
いえ、Reckonerが初めてです。実は私、エンジニアに転身したのがちょうど導入と同時期で。ですから、当初はスリーシェイクの支援なしには操作するのもままならない状態でした。Reckonerはエンジニアファーストをうたっている製品だけあって、ある程度の知識や経験がないとカスタマイズが難しいんです。その一方で、私自身はクライアントと直に接する営業職やWebディレクターの経験があったので「ユーザーが望むデータ抽出」についてはしっかりイメージすることができていました。エンジニア経験が浅いながらも、確固とした方向性を持ちながらReckonerに触れられたのは良かったです。
導入後の効果
Reckonerの即時性あるデータ解析が、
新しいサービスを生み出した
――Reckonerの活用によって、「eat」のサービスや業務内容にどんな変化がありましたか。
社内の「営業支援ツール」が生み出されました。「eat」とReckonerを連携させ、即時性のあるデータ解析が可能になったことで実現した新サービスです。
現在の「eat」ユーザー数はおよそ1,700社。これまで各社サイトのPV・UU・CV数はすべて既存のアナリティクスから1つひとつ抽出していましたが、全社についてその業務をこなすのは、至難の技でした。
そうしたサイロ化された個別データをReckonerとの連携で一元管理できるようになり、加えて親画面に随時解析データを表示させることが可能になったんです。
現段階では、ユーザーが直接閲覧できない画面のみに表示されるため、当社のセールスがその解析データをもとにレポート作成し、各社へのサポートにあたっています。おかげさまで社内各所から高評価を得ています。
Reckonerの導入が社内の業務効率化のみならず、こうして新サービスの創出までつながったのは、思いも寄らぬ副産物でしたね。
今後の展望
厚みのあるデータ解析で、
自社事業をもっとサービスの本質へと導きたい
――今後Reckonerに期待する機能があれば教えてください。
「eat」の活用で言うと、ユーザーに対しては、見込み顧客を抽出するための「スコアリング機能」拡充、SEO対策の一環として「インデックス数やサーチコンソールとの連携」がReckoner上でできたら嬉しいですね。加えて、社内への参考データとしてサイトスピードのデータがあると、よりユーザーに寄り添ったデザイン設計を実現できるかと。
将来的にReckonerとは「eat」以外の自社開発事業との連携も図っていきたいです。「ヒト」「コト」「モノ」のデータ解析を活用して各サービスの質を向上させる。そして、建設業界の変革にさらなる貢献していきたいと考えてます。
全社を挙げて、Reckonerの今後に期待を寄せています。