ETLツールとは?成功事例や選び方のポイント、メリットについて解説!
近年、データ活用に取り組む企業も増えてきましたが、データ活用が話題になる際には「ETLツール」も合わせて耳にするケースが多いでしょう。ETLツールは、社内で散らばっているデータを収集して特定のデータベースで一括管理するためのツールです。
しかし、ETLツールの具体的なメリットやデメリットが分からず、導入までに進まないと悩む企業も多く見られます。
そこで本記事では、ETLツールの概要について解説し、選び方のポイントや成功事例もご紹介します。
目次
- ETLツールとは?
- ETLツールを活用する5つのメリット
- ETLツールを活用する2つのデメリット
- ETLツールを活用すべき企業の特徴
- 【失敗しない】ETLツールの選び方を紹介
- ETLツールを導入した成功事例を紹介
- ETLツール「Reckoner」は無料トライアルを受付中!
ETLツールとは?
ETLツールとは、「Extract (抽出)、Transform(変換・加工)、Load(格納)」の機能を持ったツールです。
ここでは、それぞれの機能について解説していきます。
Extract – 抽出
Extractでは、元となるデータソース(顧客情報、販売情報、開発情報など)を抽出します。データソースは、組織で使用している各種システムやクラウド上のサービス、その他データベースやCSVファイルまで幅広く該当します。ETLツールでは、こういったデータソースへ簡単に接続できるようコネクタを保持しており、GUI上から直感的に接続が可能です。
Transform – 変換・加工
Transformでは、抽出したデータを変換・加工し、データベースへ格納するための準備を行います。抽出した段階のデータは、同じ情報であったとしても形式や表現方法がバラバラであるため、同じフォーマットに統一しなければなりません。そのため、変換・加工では決められたフォーマットへ整形するために、文字の変換や空白の除去などを実施していきます。変換・加工をスムーズに実施するためには、最終的なデータの表示形式を定めておくのが大切です。
Load – 格納
Loadでは、変換・加工されたデータをDWH(データウェアハウス)などの大規模データベースへと格納します。格納方法には、データを全て入れ替える「フルロード」や増えた分だけを格納する「増分ロード」があります。
格納までの一連のデータフローが決まってからは、データの更新頻度をスケジュールします。格納時にエラーが発生する可能性も考えて、Slackやメールと連携しておくと常時監視することができます。
ETLツールを活用する5つのメリット
ETLツールには、主に以下5つのメリットがあります。
- 専門的な知識がなくても利用できる
- データの変換・加工時のヒューマンエラーがなくなる
- データソースとの連携に必要な開発工数がゼロになる
- データ連携先の仕様変更への対応工数がゼロになる
- [サブスク型ETL] コストを平準化でき、トータルコストも節約できる
1. 専門的な知識がなくても利用できる
ETLツールは直感的な操作でデータフローを作成できるため、専門的な知識がなくても利用可能です。なぜなら、Extract /Transform/Loadの流れを、GUI上でマウスでのクリックやドラッグ&ドロップの操作で実施できるためです。
ツールを利用しない場合は、データソースへの接続部分から作り込みが必要となり、データに対する深い理解が必要となります。
2.データの変換・加工時のヒューマンエラーがなくなる
ETLツールは、ツール内でデータフローの流れを管理できるため、人の手を介さずにデータを正しく処理できます。
もし、ツールを利用せずに人の手でデータ連携を実現する場合には、どこかでヒューマンエラーが発生する可能性を常に持つことになります。ヒューマンエラーの発生により、見た目上は成功していたとしても、実際には違う形式のデータが連携されてしまうといったケースもあるでしょう。その結果、間違ったデータで経営の重大な判断をしてしまうケースもあるため、ETLツールによるヒューマンエラーの防止は効果的です。
3.データソースとの連携に必要な開発工数がゼロになる
ETLツールは、幅広いデータソースとの連携コネクタが提供されているため、連携部分の開発工数が必要ありません。自力でデータソースとの連携をする場合、連携を行うための開発が必要です。
例えば、クラウドサービスからオンプレミスで運用しているデータベースへ連携するとします。この場合、APIを活用してクラウドサービスからデータベースへ接続し、データベース側もAPIの接続を受け入れるといった開発が発生します。
また、データ連携は対象のシステムごとに実装しなければならないため、開発工数やテスト工数など、膨大なコストがかかってしまうでしょう。この点、ETLツールを活用すれば開発工数をゼロに抑えられます。
4.データ連携先の仕様変更への対応工数がゼロになる
ETLツールは、データ連携先の仕様変更があっても対応する必要がありません。なぜなら、サービスを提供している企業側で修正対応をしてくれるためです。
もしETLツールを利用せずに自社でデータ連携の開発を行っていた場合、連携先の仕様変更に対応する作業が都度発生することになります。
5. [サブスク型ETL] コストを平準化でき、トータルコストも節約できる
ETLツールの中でも、サブスク型を選択することでトータルコストの削減につながります。
- 導入コストが低い
- 解約が容易
- インフラ構築コストがゼロ
サブスク型はSaaS形式のサービスとなるため、ライセンスの費用を支払えばすぐにでも利用可能です。導入時にかかる費用も安価で済むことが多く、導入コストも抑えられます。
また、サブスク型は月単位での契約形態が多いため、解約も比較的容易にできるケースが多いでしょう。実際に導入してみると、「使い勝手が悪くユーザー部門からの反対意見が多い」「細かい設定が思ったよりもできない」というケースが考えられるため、解約しやすいというのも利点となります。
最後に、SaaSサービスであるためサーバー等のインフラ構築が不要です。インフラの構築は、サーバ等の費用に加え、エンジニアの作業工数も発生します。サブスク型であれば、こうした構築作業を省けるため、トータルコストの節約にも大きく貢献するでしょう。
ETLツールを活用する2つのデメリット
ETLツールには、以下のデメリットもあります。
- ある程度のITリテラシーを必要とする
- 導入するコストがかかる
ある程度のITリテラシーを必要とする
ETLツールは、データベース等の専門的な知識が不要なものの、ツールを使いこなすためのITリテラシーが求められます。 そのため、パソコンを全く扱えない人や、普段からITシステムに触れていない人には利用が難しいでしょう。
導入するコストがかかる
ETLツールには、当然ながら導入費用が発生します。ETLツールの利用形態にもよりますが、サブスク型であれば月額数万円以上のコストが発生するとみていた方が良いでしょう。そのため、コストに見合う導入効果が期待できるかを見極める必要があります。
ETLツールを活用すべき企業の特徴
ETLツールを活用すべき企業の特徴には、主に以下の2つがあげられます。
- 社内データを活用することができていない企業
- データが多すぎて整理できていない企業
社内データを活用することができていない企業
「社内のデータはあるけど、活用するための基盤作りまで進んでいない」といった、社内データの活用ができていない企業にETLツールは向いています。社内データの活用には、データ基盤を構築する必要がありますが、その作業に充てるリソースが足りないことで進められていないケースが多くみられます。
そこで、ETLツールで導入コストを下げることにより、データ基盤の構築をスムーズに実施し、データ活用するための準備を進められるでしょう。
データが多すぎて整理できていない企業
社内データがさまざまな場所に格納されており、整理できていない企業にもETLツールの導入がおすすめです。近年、利用するシステム数の増加に伴い、企業で扱うデータも増えています。そのため、人の手で全てのデータを統合的に管理していくのが難しくなっているのです。
ETLツールの導入は、手動での管理と比べて圧倒的に工数を削減できます。さらに、ヒューマンエラーも防止できるため、障害時の対応コストも減らせるでしょう。
組織内のデータがサイロ化して整理できていないという企業にとっては、ETLツールは救世主になり得るツールだと言えます。
【失敗しない】ETLツールの選び方を紹介
ETLツールを選ぶときには、以下5つのポイントが大切です。
- 導入コストが見合っているか
- 専門知識を必要としないか
- GUIが洗練されているか
- 技術的なサポートの有無
- SaaSへの対応をしているか
導入コストが見合っているか
ツールの導入時には、費用対効果が高いかどうかの判断が重要です。なぜなら、導入をしても使われないツールでは費用が無駄になってしまうためです。
導入コストは、「買い切り型」か「サブスク型」で大きく変わってきます。前述した通り、サブスク型の方が柔軟に導入を進めていけるため、導入後が不安な場合にはサブスク型がおすすめです。
専門知識を必要としないか
メリットの中で専門的な知識が不要と記載しましたが、ETLツールの中にはSQLやデータベースの知識を必要としているものも存在します。そのため、できる限りGUI上で直感的に操作できるツールを選択しましょう。また、データソースへの接続数や連携先へのテンプレートの有無なども確認しておくと安心です。
GUIが洗練されているか
ETLツールはGUI上でデータフローの作成を実施するため、できるだけ洗練された直感的に使えるGUIがおすすめです。ツールの中には、GUIがわかりにくいため、ユーザーに使われないシステムになってしまう可能性があります。多くのETLツールにはトライアル期間が設けられているため、その期間内に操作感を見極めるのも重要です。
技術的なサポートの有無
ETLツールでの実装は、直感的に操作ができたとしても、使い始めや開発時に悩むケースが多いです。そのため、サポート対応が優れているツールの選定が良いでしょう。特に、技術的なサポート体制が手厚くなっているツールを選択するのが効果的です。ETLツールは外国企業が提供しているものも多いですが、そういった点では国産のETLツールを選ぶと安心でしょう。
SaaSへの対応をしているか
SaaS形式のETLツールを選択することで、自社内の環境構築が不要になり、その後のアップデート作業も提供業者に任せられて運用にかかる工数を減らせます。また、ハードウェアの故障によるシステム停止がないため、可用性の向上にも期待できます。
ETLツールを導入した成功事例を紹介
実際に、以下の3社ではETLツールの導入に成功しました。
- kintoneデータの自動連携により、業務効率化を実現
- プロダクトの質・業務効率を高めたデータ基盤
- データ連携処理にかかっていた時間を約40%削減
それぞれの事例を紹介しましょう。
kintoneデータの自動連携により、業務効率化を実現
株式会社サンプロシードでは、kintoneデータとELTツールを連携させることで、Excelによる属人的な管理からkintone内での統合的な管理を実現させました。
導入前は、個人ごとにExcelシートで管理しており、同じデータを二重で管理しているケースが多くみられました。導入後は、kintone上でデータの管理が可能となったため、二重管理の排除や素早いデータ確認によって業務効率化につながったのです。
(参考:kintoneデータの自動連携により、業務効率化を実現 ~スリーシェイクとの二人三脚で更なるデータ活用へ~)
プロダクトの質・業務効率を高めたデータ基盤
BRANU株式会社では、ETLツールの導入によってリアルタイムなデータ解析が可能となりました。その結果、マーケティング業務が効率化され、プロダクトの質も向上したのです。
導入当時は、データ活用の重要性を理解していたものの、データ基盤の構築を社内で実現するのが難しい状況でした。そこで、ETLツールの導入により、サイロ化されたデータを一元管理できるようになってリアルタイムな解析も実現できたのです。
(参考:プロダクトの質・業務効率を高めたデータ基盤。まさか新サービス創出まで実現するとは思いませんでした。)
データ連携処理にかかっていた時間を約40%削減
auコマース&ライフ株式会社では、これまで多くの工数をかけていたデータ連携の処理が、ETLツールの導入によって約40%も作業工数を削減することができました。
導入前は、外注で開発したデータ連携の仕組みを活用していました。しかし、週に数回のエラーによって毎回数時間のリカバリー処理が必要とされていたのです。
導入後は、データ連携にかかる処理時間の短縮や、エラーの発生回数がゼロになり、処理にかける工数を大幅に削減できました。
(参考:独自開発のオンプレETLをReckonerに移行しデータ連携エラーがゼロに。データ連携処理にかかっていた時間を約40%削減)
ETLツール「Reckoner」は無料トライアルを受付中!
本記事では、データ連携を効率的に実施できるETLツールについて解説しました。
ETLツールは、データソースへの接続から大規模データベースへの格納までをサポートしています。多くのツールは、直感的な操作でデータフローの構築を実現できるため、今までよりもデータ連携にかけていた工数を大幅に削減できます。
しかし、実際にETLツールを導入しようと思っても、どのツールを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが「Reckoner」です。Reckonerはプログラム不要、GUI上で全てを完結できるため、データフローの構築をスムーズに実現できます。さらに、SaaSでの提供となるため、インフラ構築が不要でサーバー等の管理も必要ありません。
現在Reckonerでは無料トライアルを受け付けているため、これからETLツールを活用してデータ基盤の構築を検討している企業様はぜひご利用ください。