[やさしく解説] ETLとはなにか ITに詳しくない方向けにわかりやすく解説します

現在、多くの組織において、データの効率的な管理が求められています。その中で、ETLが重要な役割を果たしていることをご存じでしょうか。本記事では、ITに詳しくない方でも、ETLについて理解いただけるようわかりやすく解説いたします。

目次

ETLとはなにか

ETLとは「Extract (抽出)、Transform(変換・加工)、Load(格納)」の頭文字をとった言葉で、企業内に散在するデータを統合的に管理するための仕組みで、データの取得、取得したデータの変換や加工、変換・加工されたデータの格納といった一連の流れを提供しています。

ETLで格納されたデータは、「業務システムへのデータインポート」「部門ごとのレポート」「BIツールでダッシュボード作成」など、様々な用途で利用され、意思決定の質の向上に寄与します。

簡単な例を挙げてみます。例えば、Aシステムでは日付を「20221231」というように「ハイフン無し、YYYYMMDD」の順で管理しているが、別なBシステムでは日付を「12-31-2022」というように「ハイフン区切り、MM-DD-YYYY」の順で管理していたとします。

Aシステムのデータを、Bシステムにそのまま取り込むと日付の不整合が生じてしまいます。これを避けるために、ETLがAシステムのデータを抽出したうえで、日付をBシステムに合わせた形に加工、その上でBシステムへ出力することができます。

ETLによって、データ連携を統合管理することで、さまざまなデータ活用が可能となります。

なぜETLが必要なのか

ETLが必要な理由には、主に以下の3点が考えられます。

  • 多数のデータを取得し結びつける
  • 多数のデータを変換する
  • 多数のデータを出力する

それぞれの理由を解説しましょう。

多数のデータを取得し結びつける

組織内には、さまざまな場所に多くのデータが保管されています。

例えば、従業員の人事情報のデータ、製品の売上データ、今後の売上見込データ、原価データ、経理データ、顧客の個人情報データなどです。

これらのデータは、ただ散在しているだけでは活用できません。他のデータと組み合わせて分析をおこなったり、レポートとして出力されることで価値が生まれます。ETLは、こうしたさまざまなデータを結び付ける役割を持ちます。

多数のデータを変換する

ETLは、組織内に散在するデータを統一されたフォーマットへ変換する役割があります。取得したデータは、組織内で散在するデータを組み合わせて計算したり、複数のデータを基準に「顧客のレベルづけ」をするなど、新しい価値を与えることができるでしょう。

しかし、データ同士を組み合わせて活用するためには、対応する形式へと変換させる必要があります。ETLを使うと、データの加工や編集が可能となるため、さまざまな活用が可能です。

多数のデータを出力する

データは格納するだけではなく、実際に活用しないと意味がありません。別なシステムにデータを投入したり、Excelの形でレポートとして出力させたり、編集した内容で元のデータを上書きしたりするなどさまざまな活用方法があります。データを結びつけて変換し、そして最後は必要な形で出力することもETLでは実施可能です。

このように、ETLツールはデータのハブとなるためさまざまなメリットを得られます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

ETLがないとどのような問題が生じるか

ETLがないと以下の問題が生じます。

  • 手動作業による効率低下
  • 人力作業による作業ミス多発
  • データの信頼性低下

それぞれの問題を解説しましょう。

手動作業による効率低下

データの抽出から出力までの一連の流れは、ETLのように作業を自動化できないため、手動作業が必要となります。その結果、従業員がデータ処理に費やす時間が増加します。データ処理は重要な作業ですが、利益を生む作業ではありません。結果、時間あたりの生産性が低下するとともに、人件費が増加してしまいます。

人力作業による作業ミス多発

手動で作業を行うと、ヒューマンエラーは避けられません。例えば、間違ったデータを処理、間違った方法で処理、間違った出力先にロードといったエラーが発生しかねません。その結果、作業の手戻りによる工数増加が発生してしまいます。

データの信頼性低下

作業ミスに気づかないままデータが処理されることは、間違った経営判断が行われるリスクにつながります。そして、こうしたデータ処理ミスが続くと、「社内データは信頼できない」と認識され、データに基づく意思決定が行えない状況を招きかねません。

ETLをどのように導入すればよいか

ETLの導入時には、以下の観点が重要です。

  • 専門的な知識がなくても使える製品を選ぶ
  • 多数のデータと接続できる製品を選ぶ
  • コストパフォーマンスが高い製品を選ぶ

それぞれの観点を解説しましょう。

専門的な知識がなくても使える製品を選ぶ

エンジニアのような技術的な専門知識を持った人材しか扱えないETLの場合、何か作業を行うたびにエンジニアに依頼しなければなりません。例えば、「新しいデータを取得する」「データの処理内容変更する」「データの出力先を変える」といった内容です。

こうした非エンジニア部門からの依頼に対して、十分に対応できるエンジニアがいればよいですが、そうでない場合は「エンジニアへの対応待ち」が発生し、必要なデータがすぐに利用できない状態が発生します。一度や二度であればよいですが、毎度こうした状態が続くと、「データを活用しようとすると長時間待たされるので、とりあえずは今手元にあるデータだけで意思決定しよう」というように、データ活用が制限されてしまう場合があります。

よって、非エンジニアであっても、必要なデータの処理が行える製品を選ぶべきです。

多数のデータと接続できるものを選ぶ

ETLは、多くのデータソースと接続することで真価が発揮できますが、製品により接続先の数が異なります。よって、自社で利用しているSaaSやシステムに対応した製品を選びましょう。また、ETL製品の「接続先対応リスト」に記載がないものを接続させたい場合は、どの程度の工数が必要となるか(またはそもそも無理なのか)について確認しましょう。

接続先が少ないETL製品を選ぶと、自社で開発しなければならない部分が発生し、かつ開発部分のメンテナンスも継続的に必要となるため、多くの工数がかかります。

コストパフォーマンスが高い製品を選ぶ

ETLは、「決められた処理を迅速かつ確実に行う」ことが目的の製品です。よって、別々のETL製品で同じ処理を実施しても、アウトプットは同じとなり、処理の品質に変わりはありません。つまり、「必要な機能や処理スピードを満たしている」のであれば、コストが低い製品を選ぶのが正解です。

ETLツールを選ぶときのポイントは下記の記事にまとめているので参考にしてください。

IT知識がなくても使える「Reckoner」

ETLは企業で取り扱うデータの運用コストを低減し、データの信頼性向上につながるシステムです。データドリブンな組織を目指す企業にとって、欠かせないシステムとなるでしょう。当社が提供するクラウドETL「Reckoner」を利用すれば、データ活用基盤の構築を短期間・低コストで実現可能です。

Reckonerは、SaaSで提供されているため低コストで導入可能です。多数のデータベースやSaaSアプリケーションとの接続が可能で、シンプルなGUIによりノーコードですべてを完結できることも魅力的です。さらに、フルマネージドサービスでの運用となるため、運用工数がゼロとなります。

現在Reckonerでは無料トライアルを受け付けているため、今後ETLを新たに導入検討する企業はぜひご参考にしていただければ幸いです。

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