[データに基づく意思決定] データドリブンな組織作りに必要なアプローチとは

データ活用が重要視されている昨今、多くの企業でデータ活用に向けた基盤づくりを進めているでしょう。

しかし、データに基づく分析を行ったところで、データに基づく意思決定が根付いていないと、最終的には勘と経験に頼った意思決定を行い、データ分析作業の多くが無駄になりかねません。

本記事では、データドリブンな組織の形成に必要な要素について記載し、具体的な組織文化、組織変革について解説します。

目次

データドリブンとは

データドリブンとは、データに基づいた意思決定を行うことです。こうした意思決定のフェーズを設けている企業は、「データドリブンな組織」と呼ばれます。データドリブンと対比して語られるのは「勘と経験による意思決定」です。

例えば、企業のある商品の販売計画を立てるとします。責任者がこれまでの経験や勘にもとづき販売計画を立てたとしても、データに基づかない判断を行った場合、計画と実際の結果には大きな乖離が生まれるリスクがあります。

また、同じ環境であっても、担当者によって異なった判断を行ってしまう「意思決定のばらつき」が生じることもリスクとなります。

こうしたリスクを回避するためには、組織は意思決定に必要なデータを、ユーザーが容易に分析できる形で提供することが必要です。

また、データドリブンな組織とは、以下の要素を満たしていることが条件です。

  • 部署問わず横断的なデータ共有がされている
  • データに基づく議論がなされる
  • データに基づく意思決定がなされる
  • 勘や経験、思い込みといった主観的な要素が排除されている

このように、データドリブンな組織とは「勘や経験からデータ重視」という組織文化の改革と、「誰もがデータを分析できる環境づくり」というツールの導入や利用という2つの側面があると考えてよいでしょう。データドリブンについては、過去の記事でも解説しているので、是非ご覧ください。

データドリブンな組織を作るコツ

データドリブンな組織を作るときは、データによる意思決定の重要性を深く理解した経営トップによる、トップダウンで進めることが理想的です。

しかし、企業によっては「経営層がむしろ勘と経験に頼っている」「全社的にデータが容易に分析できる環境がない」など、難しい場合もあるでしょう。その場合は、部門レベルから小さな実践を行い、そこから適用範囲を徐々に拡大するボトムアップのアプローチが現実的です。

ここでは、それぞれの進め方を解説します。

トップダウンの場合

トップダウンでデータドリブンな組織を実現する場合のポイントは、経営者が実際にデータに基づく意思決定を行うことです。例えば、経営会議における意思決定において、常に提出されたデータに基づいて判断を行うことで、「データがなければ、そもそも各部門の意見を通せない」ことが当たり前の文化となります。

トップダウンで重要なのは、経営者がデータに基づく意思決定の重要性を繰り返し語り続けることです。特に、これまで勘と経験に基づく意思決定が長く続いてきた組織であれば、「そのうち、もとの勘と経験に基づく意思決定スタイルに戻るだろう」と、経営者の取り組みを冷ややかに見る従業員も少なくないでしょう。

経営者は、「これまでのような勘と経験だけでは通用しない。データに基づかない提案は全て差し戻す」くらいの強い姿勢を見せない限り、組織の隅々までデータドリブンが浸透するのは難しいといえます。

ボトムアップの場合

ボトムアップの場合は、全社的にデータドリブンな組織への移行が難しいことが前提となります。しかし、組織の上長が理解を示せば、スモールスタートしやすいでしょう。

主な進め方は、部門ごとに課題を洗い出し、課題に対するKPIを設定します。その後、データの収集から分析までを実施し、KPIの達成に向けてデータに基づいた提案や解決のアプローチを議論し、意思決定を行います。まずは、自身の担当する業務から進めていき、少しずつ範囲を拡げていくと良いでしょう。

ただし、経営層などの上の立場の方がデータの重要性を理解していない場合、データドリブンの考え方を否定され、取り組み自体が終わってしまうリスクもあります。

データドリブンな組織を作る3つのポイント

データドリブンな組織における前提は以下となります。

  • 部署問わず横断的なデータ共有がされている
  • データに基づく議論がなされる
  • データに基づく意思決定がなされる
  • 勘や経験、思い込みといった主観的な要素が排除されている

上記を踏まえた上で、文化の醸成として以下3つのポイントも重要です。

  • 一気にすべてを進めない
  • データ分析を目的化しない
  • 正確なデータを共有する

一気にすべてを進めない

データドリブンな組織への変化は、組織における意思決定文化が大きく変わる取り組みです。経営者がデータドリブンに本気であっても、組織の隅々までデータドリブンが浸透するには時間がかかります。また、意思決定方法を全て一気に変えてしまうと、従業員が混乱します。

このため、組織において徐々にデータドリブンを広げていくアプローチが必要となります。例えば、パイロットして特定の部門をピックアップして、データドリブンを実践させた上で、そこでの学びを生かして適用する部門を広げていく、といったアプローチが有効です。別な言い方をすると、トップダウンでデータドリブンを進められる状況であっても、スモールスタートが有効であるともいえます。

データ分析を目的化しない

データドリブンというと、「データをひたすら深く分析することが良い」と勘違いする従業員が出てくる危険性があります。しかし、重要なのは「データ分析は手段であって目的ではない」「データ分析のためのデータ分析であってはいけない」という点です。

目的を達成するためには、まずは仮説が必要です。仮説を立てて、その仮説を検証するためにデータを分析します。そして、分析の結果、目的が達成できそうかどうか、またはどの程度達成されるのかをデータから判断します。この分析と判断に基づく提案を社内で行い、承認を得て、実作業に入ります。

そして、これらのプロセス1つ1つに時間をかけすぎてはいけません。データ分析は手段であり、必要な範囲の分析を短時間で行う、仮説を検証する範囲だけ分析を行うという割り切りも重要です。

正確なデータを共有する

データドリブンにおいては、データが正確であるのは大前提です。データの正確性に問題があった場合、データドリブンを進める意味がなくなります。

そのため、データドリブンの組織づくりをするうえでは、「正確なデータが共有されているか」「データの品質はどのように担保されているのか」を必ず確認しながら進める必要があります。

データドリブンな組織を実現するReckoner

今回は、データドリブンな組織の形成に必要な要素について記載し、具体的な組織文化、組織変革を解説しました。

データドリブンな組織づくりを実現するためには、データ品質が重要となります。単にデータが存在するだけでなく、分析可能で、かつ品質が担保されている必要があります。これを行うために必要なのはETLツールです。

当社のETLツールである「Reckoner(レコナー)」は、GUIからの直観的な操作を実現し、プログラミング知識なくETL(Export, Transform, Loadを意味する、データの自動一括抽出・変換・投入サービス)を利用できます。

BIツールの導入支援も行っておりますので、データ活用をご検討の企業・組織様はぜひ一度お問い合わせ頂ければと思います。

ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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