【企画職向け】ETLツールを使ったデータ変換で業務効率化
経営企画、事業企画、営業企画といった、いわゆる「企画職」のスタッフのメイン業務は、「多種多様なデータの収集と分析」であるといっても過言ではありません。
そして、収集と分析で用いるデータは、「即利用可能なデータ(見たい切り口のデータが日々更新される)」もあれば、「収集した後に、時間をかけて編集した後、分析できるデータ」もあるかと思います。
そんな企画職の方々が、データの収集と分析をどう効率化するかについて、ETLというキーワードを踏まえてお伝えします。
目次
企画職はエンジニアでない、故にETLが有効
まずは、大前提としてですが、企画職スタッフの多くはエンジニアではありません。Excelや分析ツールを使うことには精通していますが、データの裏側にあるデータベースやデータウェアハウス (DWH) 、データレイクについては深い知識があるわけではありません。
また、営業職やマーケティング職、サポート職が利用するツールについてもある程度の理解がありますが、各ツールがどのようにデータを処理しているかについても、情報システム部門のエンジニア程度の理解は持っていません。
企画職の主たる業務は、「データを分析したうえで、戦略・戦術などを立案、そして担当部門を巻き込んで行う活動をリードする」ことです。餅は餅屋ですので、企画職がエンジニアと同程度の理解を持つ必要はありません。
しかし、企画担当者が、普段とは異なるデータ取得を行おうとするたびに、情報システム部のデータ基盤担当者に対して「このようなデータが欲しい」と依頼するのは、「依頼するほうも、依頼されるほうも、工数がかかる」「依頼からデータ取得までに時間がかかる」というデメリットが生じます。
これを乗り越えるのがETLです。ETLを用いると、社内で稼働しているデータベース、データウェアハウス、SFA、CRM、MAといったツール群に対して、GUIを経由してデータの取得、変換、ロードが行えます。つまり、企画職スタッフが、情報システム部門に都度依頼しなくても、データ分析用のデータを準備できるようになります。
プログラミングなしでデータ取得ワークフローを作成
ETLといっても、「プログラミングが必要な製品」もあれば、当社ETLのReckonerのように「プログラミング不要の製品」もあります。ここでは、当社Reckonerを例に、プログラミング不要でデータ取得ワークフローを作成する流れについてご紹介します。
(1)ETLを導入
現在、操作性の高いETLの多くはクラウドサービス (SaaS) として提供されています。このため、ETL製品のトライアル利用を申し込むのが最初のアクションとなります。
(2)ETLに各種データソースを連携
ETL製品上のGUIで、必要情報を入力すればすぐにデータ処理を開始できます。対応しているデータソースはETLごとに異なりますが、当社ETLのReckonerを例にご紹介すると、AWSやGCP上で動作するデータベース、データウェアハウスなどのサービス、SalesforceやKintone、hubstotといったSFA/CRM/MAプラットフォーム、Googleアナリティクスなどの分析ツールなど、多様なツールがカバーされています。
上記(1)と(2)は、情報システム部門と連携して、最初に行っておく処理となります。
(3)ETL上で処理内容を入力し処理
上記(1)(2)で設定を完了させておくと、企画職の担当者が必要なタイミングで、誰か別の人に依頼せずに、自身のみでデータ抽出・変換・ロードが完了できます。
例えば、「データウェアハウスA」にあるデータ項目を、ETL上で変換処理を行ったうえで、Excelにエクスポートする、といった処理内容を、SQL文を書かずに処理することが可能です。
企画職の観点からは、「誰かに依頼する工数が不要」「依頼ならび別部門担当者の作業完了待ちが不要のため、迅速にデータを入手できる」「手戻りが生じた場合も、自分ですぐに再度処理できる」といったメリットがあります。
ETLを利用して行える具体的な処理
ETLを利用すると、以下のような処理をプログラミングなしで行えるようになります。
- 指定したフィールドを取得
- 2つのフィールドを1つに結合
- 指定されたフィールドをCSVでパースする
- 指定フィールドをハッシュ化する
- 日付フォーマットを変更する
- 指定フィールドがnullのものだけを抽出する
- 指定したフィールドの型変更、削除、名前変更を行う、など
単にデータを取得するだけでなく、結合や変換といった処理まで、プログラミングなしで実施できる点が大きなメリットです。
「これまでExcelマクロでこれらを実現してきた」という担当者もいるかと思いますが、Excelマクロは属人的でブラックボックス化しがちな方法で、複雑化すると「作成者しかマクロの中身が分からない」、いわゆるお化けExcelマクロとなってしまいます。ETLを利用することで、処理の属人化を防げます。
情報システム部門から見たETLの価値と注意点
ここまで、企画職がETLを利用するメリットをお伝えしてきましたが、実は「企画職にETL利用を許可する」側の情報システム部門にとってもメリットがあります。
まずは、「データが欲しい人が自分でデータを抽出・加工できる」ため、依頼があるたびに情報システム部門担当者の手を煩わせる必要がなく、工数の削減につながります。また、「昨日依頼したデータ処理の件、まだでしょうか」といった処理の催促をされることもなくなるため、担当者のストレス軽減にも寄与します。
情報システム部担当者がETLを利用するという前提で、最も注意が必要な点は「アクセス権」です。例えば、「自社の財務情報」「自社の既契約情報」「社員の給与情報」「人事評価情報」「キャンペーン登録者の個人情報」といったデータへのアクセスを無制限に認めるわけにはいきません。このため、「どのデータソースに、誰(またはどの部門の、どの職位の担当者)がアクセスしてよいか」を綿密に計画しなければなりません。
また、データは「戦略・戦術立案のための分析用として利用するデータか」「キャンペーンで実際に利用する個人情報全て含んだデータか」により、扱いが異なってきます。
よって、「データを積極的に活用して質の高い意思決定を支援する」というスタンスは崩さずに、かつ、「守るべきところは確実に守り、データ漏えいを引き起こさない」ための体制づくりが重要となります。
情報システム部依存、マクロ依存からの脱却を
企画職がデータ分析を行う際に、都度他部門の協力を得て、処理を行ってもらうのではなく、また自分でExcelマクロのブラックボックスを作るでもない方法を、ETLなら実現できます。
ETL利用で、企画部担当者は「依頼工数の削減」「即時のデータ入手」「処理プロセスの透明化」が実現でき、情報システム部担当者は「アドホックのデータ処理工数削減」「処理を急がせられるストレス軽減」が達成できます。
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ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。