ETLツールが「データのハブ」となる本当のメリット
データを積極的に活用してビジネス展開を行っている企業では、既にマーケティングオートメーションやCRMを活用しているかと思います。しかし、それぞれのツールのデータがサイロとなり、複数のデータソースの透過的な分析や加工が難しいのが実情です。
そこで活用できるのがETLツールです。ETLツールは、複数のデータソースに接続し、データを抽出(Extract)し、使用用途に応じて変換(Transform)、そして変換されたデータを格納(Load)することができるツールです。
今回は、ETLツールが「データのハブ」となる本当のメリットについて解説します。
目次
ETLツールがデータのハブとなるメリット
ETLツールがデータのハブとなるメリットについて、ここでは5つ紹介します。
- 雑務の簡略化と人的ミスの削減
- 顧客データの統合
- マーケティングでの活用
- 高いスケーラビリティへの対応
- データの集中加工
雑務の簡略化と人的ミスの削減
各ツール・システムに紐づくデータベースが増加すると、各データソースの仕様に合わせてデータを抽出する必要があります。別々なデータソースに、別々な接続を行い、API変更などにも対応するためには、大きな工数が必要となります。
多数のデータソースへの接続・データ抽出を効率化するうえで有用なのが、ETLツールです。ETLツールでは、各データソースへの接続があらかじめ提供されており、個別に開発を行う必要がありません。また、接続の仕様変更への対応もETLツール側で実施してくれます。
さらに、各データソースから取得したデータの加工も、指示した条件に従って正確かつ大量に処理されるため、人的ミスが少なくなります。そのため、不正確なデータをもとにした間違った判断を下すリスクも回避できます。
顧客データの統合
複数のデータベースで顧客情報を保有する企業においては、顧客データの統合は必要不可欠です。しかし顧客データを有するデータベースが増加するに従い、多数のデータソースからのデータ統合は困難なものになってしまいます。
多数のデータベースに接続し、必要な顧客データを抽出し、顧客カットでの深い分析を行う上で、ETLを利用した顧客データの統合は不可欠です。ETLを利用することで、必要なデータソースから、必要なデータを抽出し、必要な加工を行った上で、分析に適した形でロードする、という一連のデータ統合作業を自動化できます。
マーケティングでの活用
散在していたデータの統合が可能になったことで、これらのデータをマーケティングで活用することも可能になります。
顧客情報の把握はもちろん、統合されたデータを分析することで経営戦略を立てられます。マーケティングの施策を立てるには多くのデータが必要です。ETLはそのデータを統合し、さらに形式を整えて格納してくれるため、データの扱いを容易にします。膨大なデータを分析できるようになれば、データを用いた戦略的なマーケティングを可能にし、企業に大きなメリットをもたらすでしょう。
高いスケーラビリティへの対応
データ量が増加するに従い、データ抽出や加工にかかる時間は増加します。データ量が増加した結果、想定の時間内にデータ処理が完了しないケースも増加します。このため、かつては「高いスケーラビリティが求められるデータ量を処理するには、データ処理のインフラ自体を作り直さねばならない」というケースもありました。
クラウド型のETLは、データ量に応じたリソースの割り当てが可能です。例えば、少ないデータ量であれば、少ないリソースを割り当て、データ量が増加するごとに、割当リソースを増加させて、速度をあげるというものです。オンプレミスのETLと比べて、クラウド型のETLはこの点に強みがあります。
データの集中加工
データソースが多数ある環境において、「複数の箇所でデータ加工を行う」ケースがあります。これは、負荷の分散などを考慮した上での設計ですが、複数箇所でデータ加工を行った結果、データ処理プロセスに変更が生じた場合、複数の加工箇所で処理の修正が必要になり、工数増加のリスクがあります。
スケーラビリティがあるETLを用いることで、一箇所のETLにデータを集中させて加工が実施できます。これにより、データソース追加時、データ加工の変更時などにおいて、変更工数を最小化できます。
ETL導入時のポイント
次に ETLツール導入時のポイントを3つ解説します。
- 使いやすさとサポート
- 接続可能なデータソース
- スケーラビリティへの対応
それぞれ解説していきます。
使いやすさとサポート
ETLツールには大きく分けて、「プログラムを書くエンジニアが操作することを前提にした製品」と、「非エンジニアでも利用できるわかりやすいUI/UXを提供する製品」の2つがあります。
もし、BIツールによるデータ分析だけでなく、データ加工についても現場手動で進めるのであれば、非エンジニア向けのUI/UXに優れた製品を選択すべきです。また、組織によっては、ツールのUIにおいて日本語が利用可能か、問題が生じたときに日本語でのサポートが受けられるかといった点も考慮すべきでしょう。
接続可能なデータソース
ETLを利用する大きなメリットの一つは、データソースへの接続にかかる工数を、ETLツール側でカバーされているという点です。これにより、必要な情報を設定項目に入力するだけで、データソースとETLが接続され、工数が大幅に削減できます。
ETLツールを導入検討する際は、自社で利用するツール(データベース、CRM、SFA、MA、解析ツールなど)にETLが対応しているかどうかを確認する必要があります。使用しているツールが全て対応している場合、接続工数がほぼゼロになりますが、対応していないものがある場合は、接続のための工数が別途必要になるため要注意です。
スケーラビリティへの対応
抽出、加工を行いたいデータの量が「今後も現在と同程度で推移」するか、「今後データ量が爆発的に増加する可能性がある」かで、選ぶべきETLツールが異なってきます。データ量が劇的に増加する場合は、当初用意したリソースでは不十分になる可能性が高いため、リソース追加が不可欠です。
将来の急激なデータ増加が見込まれる場合は、リソース追加が容易なクラウド型ETLを選択すべきです。逆に、データ量がさほど増加しない場合は、スケーラビリティに関してはオンプレ型・クラウド型のいずれでも問題ありません。
「Reckoner」でデータ統合・活用を実現する
複数のデータソースに、業務遂行上必要なデータが散在する組織において、ETLは力を発揮します。
当社が提供するETLツール「Reckoner」は、非エンジニアでも使える日本語UIで日本語サポート対応が可能、多数のデータソースに簡単に接続、そしてクラウドETLという特性を生かしたスケーラビリティ、といった点が強みです。
ETLによるデータ抽出、加工、ロードの自動化による工数削減を検討される場合は、ぜひお問い合わせください。
ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。