【広告代理店向け】複数のチャネルを分析する仕組みを作り、報告レポートを出力する
広告代理店では、複数の媒体で広告の配信を行い、媒体ごとの報告レポートを顧客に提供している企業様も多いでしょう。
しかし媒体ごとのレポートでは、全体に共通した傾向を感覚ではつかめても、データとして明確に落とし込むのは大変です。実際に、複数媒体を横断した分析ができている代理店様は少ないのではないでしょうか。
ETLツールを活用すると、各媒体のデータを集約し、複数チャネルをまたいだ分析ができる仕組みを作れます。
そこで本記事では、広告媒体ごとにレポートを作成する問題点とともに、ETLを利用したデータ一元化のメリットと手順を解説します。
目次
広告媒体ごとのレポートの問題点
広告媒体ごとのレポートには、次の2つの問題があります。
- 媒体ごとの最適化のみにフォーカスしている
- 広告全体のデータを見るために工数がかかる
それぞれ、詳しく解説します。
媒体ごとの最適化のみにフォーカスしている
広告媒体ごとにレポートを作成すると、媒体ごとの最適化のみにフォーカスしてしまう点も問題です。広告媒体ごとのレポートからはどうしてもサービスやブランドの全体像を把握しにくく、個別の数値の変化を追ってしまう傾向があるためです。
しかし、顧客が広告代理店に求めているのは、広告予算全体を最適化し、成果を最大化することです。媒体ごとで成果を追うと「木を見て森を見ず」ということになりかねず、顧客からの信頼を失う可能性があります。
単なる数値報告となり、分析や戦略の観点が欠如しないよう、広告媒体全体とその成果を俯瞰的に見る仕組みを作っておく必要があります。
広告全体のデータを見るために工数がかかる
顧客の要望に応えるためには、広告媒体全体を把握する必要があります。しかし、媒体ごとに個別のレポートを作成していると、広告全体のデータを見るために工数がかかります。
単純にそれぞれのデータを集めて見やすくするだけでも手間がかかります。広告媒体によって異なる用語を使っている場合や、データの前提条件や形式が異なる場合には、分析しやすい形式のデータにするためさらに手間がかかります。
そのためなかなか広告全体のデータを把握できず、個別最適化による広告運用が続いてしまう恐れがあります。
また、近年は特にデータを素早く分析し、ビジネスに活かすことが重視されています。広告全体のデータを見るために時間がかかってしまうと、その点でも他社に劣ることになりかねません。
複数の広告媒体をETLで集約する
ETLツールを使うことで、複数の広告媒体のデータ集約が可能です。ETLツールを使用して広告媒体を集約する目的や、その方法を紹介します。
目的は複数の広告媒体を一元管理すること
ETLツールを使う目的は、FacebookやYahoo!・Googleなどの複数の媒体に出稿している広告を一元管理することです。各媒体ではリスティング広告や動画広告、SNS広告など複数種類の広告を扱っていることも多いでしょう。
ETLツールを利用すれば、従来手作業で行なっていたような手間をかけずにデータの統合が可能です。あらかじめ一元管理しておくことで、全体のデータだけでなく個別のデータも必要な時にすぐに取り出して活用できます。
また、ETLツールを使ってデータの統合を行えば、各媒体のダッシュボードを見に行くことなく、収集したすべてのデータを一箇所で確認できる点もメリットです。
データの統合ルールを決める
ETLツールを使って複数の広告媒体を一元管理するために、まずはデータの統合ルールを決めなければなりません。媒体によって取得できるデータや使われている用語が異なります。
例えば、コンバージョン率であれば、他にも「CVR」や「Conversion Rate」などの表記方法があります。どの表記方法を選択するか、事前に決めておきましょう。
また、各広告媒体では、広告評価には不要なデータが提供されている場合もあります。すべてのデータをやみくもに収集するのではなく、必要な数値に絞って利用することで見やすいレポートとなります。
分析の際にどのようなデータが必要か事前に検討し、レポートに掲載するデータを決定しましょう。
ETLを活用してデータを統合する
データ統合のルールを決めたら、ETLを活用してデータ統合をします。
ETLツールでは、データを抽出してから格納するまでの間にデータの変換が行われます。変換の際に利用されるのが、先ほど決定したルールです。
分析の際に独自の計算式を使った数値などを利用している場合、あらかじめ必要な計算を自動で行なってから、格納することも可能です。
ダッシュボードの一元化およびレポートの自動化
データの統合が完了したら、次はダッシュボードの一元化とレポートの自動化を行います。
ダッシュボードを一元化することで、どの広告媒体のダッシュボードも同じように利用できるようになります。そのため、各媒体ごとにダッシュボードの使用方法が違うことで発生していた属人化を解消できる点もメリットです。
レポートの自動化には、BIツールやスプレッドシート、データポータルなどが利用できます。データの見やすさや使いやすさも考慮し、自社にあったツールを選んでください。
ETLツールを利用することで、日常的に報告のため作成するレポートはもちろん、キャンペーンやページごとなど目的に合わせたレポートも自動で生成できます。
レポートが自動で生成されることで、それまでレポート作成に使っていた時間を分析に費やせるようになります。そのため、より顧客の利益にかなう提案ができる可能性があります。
ETLを活用して意味のあるレポートの作成・分析を行う
複数の広告媒体を利用している場合、手作業でレポートを作成するとどうしても媒体ごとの最適化にフォーカスしがちです。また、レポートの作成に時間がかかると肝心の分析に使える時間が減ってしまう原因にもなります。
ETLツールを利用すれば、データの一元管理およびレポート作成の自動化が可能です。ダッシュボードの一元化により属人化を解消し、レポートの作成を自動化することでその分の時間を分析にあてることも可能です。
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ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。